目的を告げないまま薬の比較を尋ねられても、どちらが効果的か分かりません

 赤ん坊を連れたお客様から、目的を告げずに『HPローション』を使って良いか質問されたので、赤ん坊の肌の乾燥に使うのかと思い、使えるけれど水分豊富な赤ん坊には蒸発を抑える『ワセリン』で充分とお話して、尿素との使い分けも説明した。
 先述したとおり赤ん坊は水分が豊富で、でも肌が乾燥してしまうのは、まだ内蔵も含めて皮膚の機能が未発達で蒸発してしまいやすいからなので、表面を『ワセリン』などの油脂で覆えば良い。
 よほど乾燥がひどくなければ、ベビーオイルで潤すより自己の修復機能を成長させるほうが望ましい。
 『HPローション』のようなヘパリン類似物質は、水分を運ぶのは血液だから血流を良くすることで肌を潤すから、成長期から中年期に向いている。
 高齢になってくると体内の水分自体が減ってしまうので、尿素でガッチリと水分を皮膚に捕らえておく。
 すると、ようやく赤ん坊の引っかき傷に使うつもりと教えてもらい、ヘパリン類似物質は血が固まらなくしてしまうので傷のあるところに使ってはいけないことを説明した。
 パッケージにもそう書いてはあるのだけれど、効能書きの方に気を取られていると目が向かないのかもしれない。
 注意書きは、字が小さいしね。
 あと、目的を告げないまま「一番効くのを」と注文されることも多い。
 風邪薬などは、目的が風邪を治すことだから言う必要があると思っていないのかもしれないけれど、まず風邪薬は治す薬ではなく「症状を緩和する」だけだし、発熱・喉の痛み・・咳などがいっぺんに「同じくらい強く」現れることは少ないから、どの症状が特につらいのかを教えてもらわないと、適切に選ぶことができない。
 だから、薬の相談にはまず「誰が」「どんな症状が」「いつから」「他に使ってる薬や持病」「アレルギーの有無」の5つの情報が必須。
 今回のお客様には、油分を含むクリームの例として『ポリベビー』を紹介すると、家に何か塗り薬があるらしく自分用にと『ヒビケア軟膏』を購入された。
 あと、心配な場合は大げさに思えても病院を受診して、相談することに慣れておくのも大事ですと伝えた。
 目的を告げずに薬の効果の比較だけ尋ねてしまうというのも、相談することに慣れていないから起こるのだろうし。

 お客様から指先の割れに防水の絆創膏が長く付けておけるか尋ねられたので、長く貼り続けるより交換する頻度を多くしたほうが衛生面から良いとお話したうえで、強度のある『ケアリーブ治す力』を案内した。
 しかし傷の状態から『ヒビケア軟膏』の使用を勧めると、価格が高いというので『ヒリギレ軟膏』を紹介したうえで受診勧奨をしたところ、一旦は買おうとしたのを止めて病院に行くと言い出したため、「それが良いです」と答えお帰りになった。
 当初は病院は面倒だから行かないと強く言っていたのだが、本当に行ってもらえるのならばそれが良い。
 スーパーで品出しの他にもレジもやっていて、手袋をしたままでいられないというため、指サックの使用を提案した。
 病院に行ったら、医師にも自分の仕事を伝えてアドバイスを求めた方が良いとお話をした。
 医師も初対面で根掘り葉掘りは訊けなくて、しかし生活スタイルや仕事の内容に病状のヒントが隠されていたりするから、店頭でも風邪薬や胃薬などを求めるさいには先ほど挙げた5つの情報の他に追加してもらえると、双方が助かる。

 女性の親子が来店し口内炎の薬を手に取りながらスマホで何か調べていたので声をかけてみたところ、歯列矯正の金具が当たって起こるというので、お客様が手にしていた『口内炎軟膏大正クイックケア』では連用が心配なことを説明し、患部の修復成分が入っている『口内炎軟膏大正A』と『トラフル軟膏』を案内した。
 『口内炎軟膏大正A』をお買い上げいただき、入浴は良いことなので続けることと温かい物を積極的に飲み、下半身の厚着を勧めた。
 壊れた細胞を修復する材料は血で運ばれるから、体内を温かく保って血流を良くし細胞に活発に働いてもらいたいのだ。

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