総合風邪薬は要注意!! 症状に適応する薬の使用を優先的に

 若いお客様が『パブロンSゴールドW』をレジに持ってきたけれど、患者はご主人であるらしく、喉の痛みだけで咳は無いそうで、他のお店で『ペラックT』を購入して使ったというため継続するよう勧めたうえで、効き目が足りないようであれば鎮痛剤との併用を提案した。
 そして鎮痛成分だけの『イブ』の無印と、鎮静剤とカフェインを加えた『イブA』の違いを説明して案内したところ、前者をお買い上げいただいた。
 一応は選択肢として同じ銘柄のシリーズを紹介はするけれど、やはり成分の種類の少ない物や単味剤を選んでもらえると、気持ち的にホッとする。
 総合風邪薬なんか、鎮痛剤の他に咳止めと鼻炎薬が入っていて、それぞれの副作用が対応する症状の原因ともなり得るため、起きていない症状の成分は入っていないほうが良い。
 色々と入っていてお得感を感じるかもとれないが、鎮痛剤を繰り返し使うと頭痛を引き起こし、鼻炎薬は鼻炎を誘発することがあり、咳止め成分が身体機能を落として咳を招くことがあるから、注意してもらいたい。
 特に今回のように、すでに適応する薬を入手しているのであれば、まずはそちらを優先するのが望ましい。
 ご主人は食欲旺盛なようなので、消化に良い物を味付けを濃くして脳に満足させることにより量を控える方法を教えた。
 消化をするのにもエネルギーが必要で、食べ物が患部である喉をこするのは避けたい。
 また、身体を休めるのは内臓も含めてだから、あまり噛まずに済んで量は少なくするのが良いのだけれど、脳はエネルギーを欲しているから食欲は出てしまう。
 要は脳だけがお腹を空かせているという事でもあるので、脳を満足させるのが重要。
 消化に良いものとして、お粥やうどんを考えるかもしれないが、あっさりした味付けだと満足しにくいため、お粥なら佃煮などを味の濃いものを添え、うどんなら少し醤油等を加えて味付けを濃くする。
 塩分の摂り過ぎを気にされるかもしれないけれど、一時的なことなので気にする必要は無い。

 高齢のお客様が、ご主人が喉がイガイガすると言っているとのことで薬を買いにみえたけれど、イガイガ程度であれば薬を使うより胃を悪くしてる可能性があるため、温かくて消化に良い食事をしたり、ハチミツが嫌いでなければ温かい飲み物に入れて飲む方法もあることをお話したところ、お帰りになった。
 薬を求められていれば、喉を潤す『ストナ去たんカプセル』か、上半身の保水をする『麦門冬湯』という選択もあっただろう。

 高齢の夫婦のお客様が来店し、始めは奥さんが『イソジンうがい薬』を見ていて、フルーツ味との違いを尋ねられたため効果は変わらないことと、身体を守る菌まで倒してしまい風邪の予防には不要なことをお話したところ、ご主人が鼻水が喉に落ちてきて咳になるとのお話だった。
 鼻水が喉に落ちてくるのは、それこそ風邪ではなく胃が冷えているか疲れていることが考えられ、胃薬として働く生薬が入っている『チクナイン』(辛夷清肺湯)も考えたが、後からやってきたご主人の症状は激しくない様子だったので、温かく消化に良い食事をすれば改善する可能性を伝えたところお帰りになった。
「買わないのに悪いね」と言われたので、「不要な薬は買う必要はありません」と答えた。

 夫婦のお客様が『パブロンゴールドA』を購入されるさいに咳の有無を確認したところ、ご主人がそれには答えず「飲むと治る」と言われたけれど、風邪をひいたと思ったら使ってるというため、咳の成分が覚醒剤系と麻薬系で、すぐに治った気がするのはよる副作用の可能性であることを説明した。
 覚醒剤系は喉を開いて呼吸しやすくするのが目的だが、覚醒剤と呼ばれているように、元気になったような高揚感が現れるのはある意味当然。
 一方、麻薬系は咳をする中枢神経を抑えることにより効果的に咳を止めるものの、身体機能を低下させるので呼吸は浅くなり心臓の鼓動は弱まって、覚醒剤系とは反対の方向に気持ち良い気分にしてくれる。
 つまりは、覚醒剤と麻薬を同時に使っているような効果により、「飲むと治る」と錯覚しているのに過ぎない。
 すると今度は、じゃあ「麻薬をやれば薬はいらないのか」と言われ、思わず「逆に、そういう悪い目的で使う人がいるので、こうして確認しています」と答えた。
 先述したように、身体に負荷をかけるのと同時に身体機能を低下させるムチャな使い方なので、「そういう目的」に使うのは寿命を縮めます。
 それはともかく、症状は教えてもらいたかったな………。

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