膀胱炎・頭痛に用いる漢方薬の候補が複数あるように、患者さん本人へのヒアリングは欠かせません

 お客様が『腎仙散』をレジに持ってきたけれど、使うのは初めてというためヒアリングしてみると、症状は軽い違和感のみとのお話だった。
 以前に『竜胆瀉肝湯』を使ったものの効いた感じがしなかったと言われ、『猪苓湯』を始めとして『ボーコレン』(五淋散)などとの比較を説明した。
 この中で基本となるのは『猪苓湯』で、漢方薬は生薬の種類が少ない物の方がシャープに効くと考えられる。
 そして、『竜胆瀉肝湯』は排尿時に灼熱感があるといった熱性の症状が現れた場合に適応するため、以前に使って合わなかったのは当然かもしれない。
 反対に疲労などで身体機能が衰えていて起きている可能性がある時には、『五淋散』が候補となる。
 今回の『腎仙散』は漢方薬ではなく、生薬を用いた民間薬であり、生薬の種類が一番多いく、効果範囲が広い代わりに効き方は穏やかになりがち。
 軽い違和感のみであれば適応するとも考えられるが、『猪苓湯』に変更してお買い上げとなった。
 ただ、お客様は以前に自覚症状が無くても膀胱炎と診断されたことがあるそうだから、それを踏まえると『猪苓湯』が良いだろう。
 養生法として、体内を温める工夫をするよう勧めた。
 菌が影響している場合には免疫機能を高めることができるし、体温が高めのほうが血流が良くなって老廃物の回収や栄養の分配に役立つ。
 一番簡単なのはお風呂に入ることであるが、もしシャワーしか無い環境などの事情では、シャワーを太い血管の通っている背中側に浴びるだけでも良い。
 そして、お腹周りは保温しやすい服装をして、何か飲む時には電子レンジで温めるように、温かい物を積極的に飲食する。

 女性のお客様から、当初は絆創膏を求められ売り場を案内したけれど、手荒れに使うそうで、大工仕事をしているとのことから指先には切れた痕もあったため、『ヒビケア』などを勧め、『ヒリギレ軟膏』をお試しいただくことになった。
 そして、皮膚を修復する材料が運ばれやすくなるよう、お湯を入れた湯呑を握ることと、寝るときに綿の手袋をするか『ワセリン』を重ね塗りして布団とこすれないようにする養生法を勧めた。

 夫婦のお客様から『ロキソニン』を求められたけれど、『ロキソニン』でなければならない理由が無ければイブプロフェンで代用してはとお話したところ、奥さんが生理痛に使うとのことで、鎮静成分の入った『イブA』をお使いいただくことになった。
 ただ、痛みで眠れないこともあるというため生理痛専用薬の『エルペインコーワ』も紹介した。
 イブプロフェンに、内臓の機能をわざと落とすことで活発に動く子宮の収縮を抑える薬を加えたものである。
 本当は、奥さんに連絡を取ってもらい本人の意向を確認したかったところ。

 お客様から『バファリンA』を求められ、売り場を案内したうえで末梢神経の痛みの向いてることをお話したところ、頭痛と肩こりに使うというため適応すると考えられることを伝えた。
 また、肩こりと連動した緊張性頭痛には『葛根湯』も使えることと、ズキズキするタイプの偏頭痛は胃が悪くなると起こる事をお話しした。
 胃の関係する頭痛は、『五苓散』『呉茱萸湯』といった水分代謝を改善する漢方薬が候補となる。
 それと、朝方に頭が重くて午後にかけて楽になるケースでは、血圧が関係する可能性が高く、現代薬を使うよりも『釣藤散』『七物降下湯』が適応し、念のため一度は病院を受診しておくのが望ましい。

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