危ない薬の使い方をしている人を医療機関につなぐのも店頭での仕事です

 高齢のお客様に、奥さんが肩から背中にかけて痛みがあるとの相談を受けたのだけれど、お客様が他店で購入したジクロフェナクトリウム製剤の『ボルタレンゲル』を使っており、その前は通院している内科で無理を言って処方してもらったケトプロフェン製剤の『モーラステープ』を使っていたという。
 また、奥さんの内服薬を確認するとお薬手帳が無くて分からなかったが、眠剤が出ているらしく1錠を使うと頭がボーッとするからと自分で割って飲んでいるというため、ギャッとなったΣ(゚Д゚)
 これは市販薬を案内するとか以前に、医師や薬剤師に相談するという手間を省くこと自体が問題な案件と判断。
 いや、科目の違う医師に頼んで薬を出してもらってるくらいなのだから、その延長線上でちゃんと相談してもらいたい。
 なのに、自己判断で危ないことをしている。
 お客様には、まず調剤している薬局に相談するようお勧め、本日はお帰りになった。
 帰りぎわに、お客様は貼り薬するか飲み薬にするかを迷って相談されたようで、それは奥さんが胃を切除しているからとのことだった。
 あうっ、その話こそ最初にしていただきたかった……。
 お薬手帳は市販薬を買うのにも必要なことと、医師にも薬の使用感をフィードバックするのが良いことをお話し、整形外科を紹介してもらうよう勧めた。

 お客様から『ロキソニン』を求められ、薬剤師がいないので置いていないことを伝えたうえで化学構造式が似ているイブプロフェン製剤でも代用できることをお話しすると興味を持たれた。
 主訴は腰痛で、イブプロフェンとアセトアミノフェンの2種類の鎮痛剤を合わせた『バファリンルナi』の他に、関節部に成分が留まるとされている『ルミフェン錠』を案内したところ、前者をお買い上げいただいた。
 『ルミフェン錠』の方を購入されるかなと思ったけれど、薬はデータ通りにいかないことや相性もあると説明したのが不安を誘ってしまったのかもしれない。

 お客様から姿勢ベルトを求められ、置いていないことを伝えたうえで、効果については疑問が残ることをお話したところ、成人の娘さんの肩こりに使うつもりだとのことだった。
 スマホで猫背になってるようだったので、スマホをスマホスタンドに載せて使う方法や、休む時には首をうなだれるのではなく少し上を向くようお話した。
 この上を向くというのは、体に負担がかからない「ため息のつき方」でもある。
 人間の頭は成人で約5キロの重さがあり、首を前に傾かせると片手でボーリングの玉を斜めにして支えるようなもので、かなりの負担が首から肩にかかる。
 しかし、少し上を向くようにするとまっすぐに支える形となり負担を軽減できる。
 ため息をつくというのはリラックス効果もあるので、その時には上を向いてついたほうが良いのだ。
 また、精神的にも地面を見るより天井や空を見上げるほうが気持ちが上向くとされている。
 それから、整形外科を受診して専門家の意見を聞くことを勧めたところ、整骨院じゃダメなのかと訊かれ、医療知識と経験のバックボーンが違うので整形外科を受診しながら利用するようお話した。
 関節痛の相談を受けて病院に行ってるか患者さんに確認すると、「行ってる」という返事が整骨院ということもあるから油断できない。
 法律的には「柔道整復の施術所」と表記されることが多く、保険証が使えるのは急性の打撲や捻挫などに限られ、今回のような肩こりといった日常的な症状については認められていない。
 お客様には、肩こりに『葛根湯』が使えることを伝えると、風邪以外に使うというのを驚かれた。
 上半身を温めて血流を良くするからで、痛みを伴うようであればウドを加えた『独活葛根湯』を使うという手もある。

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