子供の薬を買いに来る親と、子供に直接ヒアリングすることで違う場合がある

 やや高齢のお客様から、動悸がするとのことで『求心』を求められて詳しくお話を訊くと坂を登る時にとのお話だったが、骨髄液の関係で治療を受けており他にも多くの薬を服用していることが分かった。
 お薬手帳を見せてもらうと、3軒の病院からそれぞれ処方された薬があるため、科目が違っても良いからいずれかの医師に相談するよう勧めた。
 生活保護を受けており働く意欲はあるというお話で、湿布薬を多く手元に置きたいからと2軒の病院から別成分の湿布を処方してもらっていた。
 お話していると精神疾患もある様子で終始病院の悪口ばかり言っていたけれど、ちゃんと通っているのは良いことでもある。
 問題は、町にあるドラッグストアーでは、このような患者さんと他の医療機関との連携を取る仕組みが全く無いことだ。

 小学生の子供を連れたお客様が『パブロンKidsかぜ薬』を選ばれたけれど、本人にヒアリングしてみると鼻づまりと咳の他に喉の痛みもあるというため、『ムヒこどもせきどめシロップ』を勧めて変更となった。
 お客様は当初、鼻づまりと咳のことしか言っていなかったから、本人から喉の痛みのことも聞けて良かった。
 患者本人である子供を連れてきていてさえこうなのだから、親だけが子供の薬を買いに来た時にちゃんと症状を把握してきているかと考えると不安に思う。
 子供が寝込んでいなくて家が近いのであれば連れてきてもらいたいし、もし家で子供を休ませているのであれば、連絡手段を確保しておいてもらえると助かる。
 お会計時に本人が湿った咳の音がしたので、内臓が冷えている可能性をお話して内臓を温めるために下半身に厚着をさせるよう、お客様に勧めた。
 また、温かい飲み物を積極的に飲むよう本人にお話すると、コーンスープを飲んだというので「それは良いこと」と伝えた。
 実際の症状を把握できるのと、本人に養生法を伝えられるのは、やはり望ましいのではないか。

 お客様が『セイロガン糖衣A錠』を持って来たさいに、腹痛には弱いことを伝えると他のお店で勧められたとのこと。
 患者は成人の娘さんで、下痢と腹痛を繰り返しているということから、ストレス性も考えられるため『桂枝加芍薬湯』を紹介し、『正露丸』には『セイロガン糖衣A錠』に比べて抗炎症剤と鎮痙攣剤が入っていることを伝えたところ、『正露丸』に変更された。
 『セイロガン糖衣A錠』を勧められたお店では、『正露丸』との違いは説明してもらえなかったとのことでお礼を言われた。
 それから『ビオフェルミン』も使っているとのお話だったが、確認したら『ビオフェルミン止瀉薬』のことだった。
 ブランド名とはいえ、内容の違う薬が同じブランドで販売されていては混乱する原因になると思うのだけれど。

 

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