競合店でも地域での連携が必要な業界

 やや高齢のお客様が、御主人のために四点杖の実物を見たいと来店された。
 うちのお店の競合店であるドラッグストアから、紹介されたそうな。
 うちで扱っていない一類医薬品やら漢方薬を求めていらしたお客様を何度か紹介しているのだが、そのお返しといったところかは不明なれど、こうして連携する事が介護や医療業界には必要だと思う。
 御主人は、つい最近まで車の運転をされていたそうで、椅子としても使えるタイプのカートの使用は、女性っぽくて嫌がっているのと、車椅子はまだ早いと考えているものの、普通の杖では転倒が心配だから、四点杖を検討しているらしい。
 うちに来店する男性客でもカートを使用している人は少なくないし、体が弱くなる前にベッドや椅子からの車椅子への移乗に慣れておくという考え方がある事は、御主人にも伝えて頂いた方が良いだろうと思い、そうお話した。
 そして、居住地の近くの処方箋に対応しているドラッグストアーとの繋がりを持っておく事も勧めた。
 体調を崩した時や、日頃の養生の相談をするのにも、処方されている薬との照会が必要になるだろうから。
 散歩のコースにでも組み込めば、何かと気に留めてもらえるはずだ。
 すると、御主人は皮膚科に通っていて、軟膏を複数混合して処方されているので、院内処方でなければ駄目だと思っていたそうな。
 いや、院外でも混合処方を応需しているはずですから、目当てのドラッグストアーがあれば、相談してみたらいかがでしょう。
 それこそ、うちの紹介してくれたドラッグストアーに。
 今日のところは、四点杖の実物を見学に来ただけなので、改めて御主人と検討するという事に。

 『こどもかぜ薬』を購入されたお客様に、念のため子供の年齢と症状を尋ねた。
 他のお店は、どうなんだろう。
 そのまま黙ってレジを通しちゃうのかな?
 私は、今の店がドラッグストアーとしては初めての勤務店だから、他店の様子というのが分からない。
 子供は小学1年生で、症状は微熱と鼻水。
 本人が病院に行きたがらないため、薬を買いに来たという事だった。
 まぁ、症状の軽い段階で病院に行くと、待ち時間で悪化したり、院内感染が心配だったりするから、市販の薬でという選択は悪くない。
 ただ、薬の内容を確認しないで買うのは、どうかとは思うけど。
 とりあえず、今回選択された薬は適応しそうだから良いとして、症状が出始めたのは昨日からで、食欲はまだあるというお話だったため、本人の食欲に任せて食べさせないようにと伝えた。
 消化にも結構なエネルギーが必要だから、風邪を治すエネルギーが不足してしまうのだ。
 それを避ける意味でも「風邪をひいたら消化の良い物を」となる訳だけど、それを発熱などで「寝込んでから」と思われていたりするので、風邪の初期の段階で消化の良い食事に切り替えるのは、かなり重要。

 小学生の乗り物酔いの相談を受けた。
 酔い止めを購入して与えるのは初めてなうえ、錠剤が飲めないそうなので、『トラベルミンチュロップ』を案内してお買い上げ頂いた。
 ただ、学校行事でバスに乗るのに眠くなると可哀想というお話と、粉は飲めるという事から、『二陳湯』を紹介した。
 あいにくとドラッグストアーでは入手しにくいから、病院で処方してもらわないとならないけど。

 

以下の記事も読まれています。


 
登録販売者から一言 壱の巻 登録販売者から一言 肆の巻「おくすり手帳と個人情報の使い方」 市販薬購入前チェックシート

競合店でも地域での連携が必要な業界への2件のコメント

  1. アバター はぐれ薬剤師
    はぐれ薬剤師 コメント投稿者

    お客様のためには競合店との連携必要ですね。でも、それが出来るのは今、登録販売者か、薬剤師しかいません。店長さんは自店だけ、エリア課長さんはエリアの成績しか興味ありませんね。自分の成績しか。そのてん、登録販売者は自由な立場では。他店の登録販売者と連携して行動を起こせると思いますよ。ただ、経営者は好みませんので、静かに静かにですね。

     
    • アバター 金銀花
      金銀花 コメント投稿者

       水面下で静かにですね。
       なんだか潜水艦になった気分(笑)
       組織になっちゃうと、これはまた硬直化してしまいそうで難しいところです。