受診勧奨した患者さんの何人が本当に病院へ行っただろうか

 お客様から十歳の子供の嘔吐と下痢の相談を受け、市販薬では選択肢が少ないことを説明したうえで『柴胡桂枝湯』を案内し使っていただくことになった。
 ただ、今も吐いていると言うので、普通に水で一気に服用するのではなく小皿にお湯で溶いてスプーンで舐めさせる方法を勧めた。
 本来なら嘔吐と下痢となると受診勧奨が原則なのだが、ドラッグストアーに薬を買いに来るというのは、病院に行きにくい事情があってのことだろうから、悩ましてところ。
 ここで病院へと諭して帰しても、他のドラッグストアーに行って今度は病状を店員に伝えずに、自分で薬を分からないままに選んで購入してしまうことも考えられ、それならうちのお店で売れば後のフォローができる可能性がある。
 今まで何度も、受診勧奨をしてきたけれど、あのうち何人の人が本当に病院へ行ってくれたのか……(;´Д`)
 一応、今回は子供を別室で寝かせたりせずに、親のほうが感染予防にマスクなどの対策をして、居間など同室で過ごし経過観察をするようお話をした。
 感染症かは分からないけれど、嘔吐があるとなると吐瀉物を喉に詰まらせてしまう危険もあるため、ゆっくり休めるようにと子供部屋で寝かせるといったことは避けた方が良い。
 子供は前日までは元気だったとのことなので、本人には「体がちゃんと戦って悪い物を出そうとしているんだよ」と励ましてあげて下さいと伝えた。
 自分も子供の頃に、吐いたりした時には不安になったものである。
 そして、水分は『アクエリアス』で摂らせていると言うので、それは良いことをと伝えたうえで、喉の渇きと関係なく小まめに水分補給をさせるために、小さいペットボトルのタイプを用意するか水筒に移し替えて枕元に置いておくよう勧めた。
 ちなみに、似たようなスポーツ飲料でも『ポカリスエット』は発熱時に向いている。
 また、市販のミネラルウォーターは硬水であることが多く(特に輸入品)、体に吸収されにくいので与えないように伝えた。
 水道水を嫌ってミネラルウォーターをよく飲んでる人には、気をつけてもらいたい。

 お客様から十歳の子供の突き指に『のびのびサロンシップS』で良いか尋ねられ、年齢的に他の成分の選択肢が無いことをお話してお買上げいただいた。
 貼り薬にも年齢制限があることを説明すると驚かれたから、これからも事あるごとに周知していかなければならないと思わされる。
 それから、子供は得てして親に心配させないために痛みが残っていても言わなかったりするので、一週間程度は様子を見て声をかけてみるよう伝えた。

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