胃炎には2種類あります

 『ペラックT』をレジに持ってきたお客様から、「14歳の子供だけど、体格いいから大丈夫よね」と尋ねられ、この薬自体は大丈夫ですと答えたが、薬の年齢制限は成分による脳への影響や内臓への影響で指定だったり、単純に剤形の飲みにくさだったりと、理由が違うこともあることを説明した。
 中には、体格さえ良ければ年齢制限があっても大丈夫と考えるお客様もいるので、この点は注意喚起が必要だ。
 その子供は、3日くらい前から喉が痛むと訴えていて、外から触っても分かるくらい扁桃腺が腫れていると言うので、食事を胃に優しいものにとお話ししたら焼肉を食べたとのことだった。
 ありゃん(;´∀`)
 喉の炎症は、胃にも広がって胃炎を起こすことがあり、胃炎を起こすと消化力が落ち、それによって免疫力も落ちて風邪に進行してしまうことがあるから、喉が痛くなったらすぐに消化の良い食事に切り替えるのが良いのだけれど。

 お客様から、肝臓疾患に適応する『ネオレバルミン』と処方薬との併用について質問され、お薬手帳を持参していたので調べてみると、処方薬は制酸剤と精神安定剤で、『ヘパリーゼ』は担当医から許可されており、飲むと効いた感じがするとのことだった。
 『ネオレバルミン』も大丈夫と考えられるが、睡眠の状況や感情の状態からすると、そもそも肝臓は悪くないと思われることをお話しした。
 ちなみに肝臓を悪くして現れる症状としては寝るまでに時間がかる入眠困難や、感情面ではイライラしがちになり、そのうえで疲労を感じることが多い。
 お客様の主訴は、だるさということで疲労感であるものの、制酸剤は胃炎に対して処方されているらしく、その胃炎にしても、 亢進(働き過ぎ)によるものと減衰(疲労)によるものとで2種類ある。
 簡易的に鑑別する方法としては、水を飲んで楽になる場合には亢進の胃炎であり、お湯を飲んで楽になるようなら減衰による胃炎と考えられる。
 そしてお客様の胃炎は疲労によるものと考えられるので、肝臓に働きかけるより胃腸の働きを助けたほうが良さそうなので、『十全大補湯』『人参養栄湯』、そして『補中益気湯』を紹介した。
 すると、『補中益気湯』は処方されたことがあり、 効いた感じがしなかったという。
 『補中益気湯』は名前の通り、気(エネルギー)を循環させるのが主な働きなので、その効果は感じにくい。
 ただ、お客様の顔色や弱々しい話し方の様子からは、『人参養栄湯』が適応しそうなため、担当医に相談してみるよう提案した。
 本日はお買い上げは無しだったが、精神不安が強いように見受けられたので、受診してる科目が違っても気になることは担当に相談するよう伝えた。

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