第11回 「医者と薬局(あるいは医師と薬剤師)」

 タイトルが2つあるのは、私自身は「薬剤師」ではないからです(^_^;)
 もちろん、お店に薬剤師はいますし、私も漢方薬の勉強をしていますから、ご安心を。
 で、漢方薬の相談が増えてくると、患者さんが通っている医者が薦める漢方薬と、当店でお薦めする漢方薬の種類が違うことがあり、度々患者さんを戸惑わせてしまうことがあります。
 漢方薬には類似処方が数多くあるので当然といえば当然なのですが、あきらかに効能が違うと、やはり不安になってしまうのでしょう。
 その理由としては、大きく分けて二つあります。
 一つは「治療方針が違う」場合です。
 例えば、胃潰瘍や腰痛あるいは気管支炎など複数の症状がある場合、「まず現在一番苦しんでいる症状から改善して、その後に本命(大元)を治療する」という治療方針を立てた場合と、「最初に本命を改善すれば他の症状も治まっていくはずだから、その後で残った症状を改善していく」という治療方針を立てた場合では、おのずと薦める漢方薬は違う種類になります。
 これは、患者さんの症状や体質、治療する側の経験と研究あるいは勉強によって決定します。
 ですから、それほど心配する必要はありません。どちらの意見に従っても問題はありませんから、いつでも相談できるかとか、長年診てもらっているから体質なども知ってもらってるなどを検討して、最終的には患者さん自身が、どちらの治療方針に従うか決めて良いと思います。
 問題なのは、もう一つの「漢方薬に関して不勉強」な場合です。
 漢方薬をちゃんと勉強している人たちは、最初から患者さんを漢方的な観点から診ますが、不勉強な医者の中には、まるで漢方薬を「万能薬」か「苦しい時の神だのみ」のように使用する人がいます。
 以前に小柴胡湯が新薬との併用により肝不全を起こす事故が報告されて、あたかも小柴胡湯が副作用の原因であるかのように報道されましたが、あれなどはあきらかに漢方薬を「万能薬」のように扱い、漢方薬の勉強不足だった証拠です。
 落語にも「葛根湯医」という作品があって、「風邪ひいちまったんだけど…・・」「よし、葛根湯を飲んでおけ!」、「お腹が痛くって…・」「よし、葛根湯を飲んでおけ!」「うちの旦那が屋根から落ちて足を折った!」「よし、葛根湯を飲ませておけ!」(笑)
 というような内容なのですが、現実にこうゆう医者がいるのです(^ ^;)
 治療の下手な医者のことを俗に『ヤブ医者』と呼びますが、漢字で書くと『巫女医者』と書くのだそうです。なんとなく意味が分かりますね。
 魔夜峰央さんの『パタリロ』というマンガ作品では、さらに下のランク付けとして、
 『すずめ医者』=「だんだん薮(やぶ)に近づく」
 『土手医者』=「薮にもなれない」
 『ヒモ医者』=「相手がヒモだけに、これにかかったら確実に死ぬ」としてありましたが( ^0^;)
 しかし
「本当の『ヤブ医者』とは、自分の能力を測れない医者だ」という言葉もあります。
 私の知り合いのお医者さんで、自分の手に負えない患者さんだと思うと自ら車を運転して他の病院に連れていってしまうというAさんがいますσ(^◇^;)。
 一見すると情けなくって笑い話のようですが、そこには「自分の能力と患者さんの状態を見誤らない的確な判断力」と、決して「自分のプライドにこだわらず患者さんのことを最優先に考える誠実さ」があります!!!
 私も見習わなければなりません。
 これは私見ですが、医者は病気などを発見して治療するプロではあっても、こと薬に関しては素人同然なのではないでしょうか。
 もちろん薬局は薬を選別して使用するプロですが、病気などの診療や治療はできません。
 だからこそ、患者さんが薬漬けにならないようにとか、保険料の支出を押さえるためだけではなく、病院と薬局を分けて通う「医薬分業」が必要なのだと思います。
 ですから、医者と薬局の賢い通い方としては少し面倒かもしれませんが、「医者に治療方針を立てて」もらい、「漢方薬局で使用する漢方薬をみたてて」もらって、「もう一度病院に出向いて処方箋を発行して」もらい、「それから漢方薬を購入」するのが最良の方法だと思います。
 今回は、ちょっと書き過ぎ言い過ぎたかも……(・。・;

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