漢方薬は、効能だけで選ぶと合わない可能性が高いです

 若いお客様が『桂枝茯苓丸料加よく苡仁』をレジに持ってきて、ニキビに効くか質問されたので、体質の検討が必要なことと、使うとすれば長期連用になるので保険が適用される病院の受診を勧めた。
 すると、すでに皮膚科を受診していると分かり、処方されている塗り薬を調べたところ抗生剤だったので、塗り薬の市販薬を使う場合にはニキビの薬ではないことを説明した。
 自己判断で『当帰芍薬散』を使っていたそうで、しかし運動すると汗をかくというため、それは正常なので『桂枝茯苓丸』も合わないかもとお話した。
 生理前にイライラするとのことから『加味逍遥散』が候補になるとお話し、近くの漢方薬に詳しい病院を紹介した。
 そして、皮膚の新陳代謝を助ける『ハイチオールCプラス』を紹介したところ、そちらを購入された。

 若いお客様が漢方薬の棚を熱心に見ていて、購入されるのがサプリメントの『ネナイト』を2個だったのでヒアリングしたところ、以前に何か漢方薬を使ったというものの覚えていなかった。
 『ネナイト』を使って良い感じだったというため、あえて深掘りしなかったが、睡眠障害の種類と対応する漢方薬のお話をしてみたけれど反応が薄く、相談にまで持っていけなかった。
 『ネナイト』の主成分であるL-テアニンは、お茶の旨味や甘味に関係しているアミノ酸の一種で、リラックス効果があるとされている。
 それが事実であれば効果が期待できないことも無いものの、価格と見合うかというと疑問が残る。
 ノンカフェインのお茶の方が、どう考えたって安上がりなので。
 漢方的には、睡眠について困っている症状と内蔵の働きは関係していると考え、寝付くまでに時間のかかる入眠困難は肝、ウツラウツラと意識のある浅眠は脾胃(胃腸)、いったんトイレに起きると寝られなくなったり早く目が醒めてしまう中途覚醒は腎という具合である。
 それぞれ、肝に働きかけるのは『柴胡加竜骨牡蛎湯』『抑肝散加陳皮半夏』など、脾胃の改善には『桂枝加竜骨牡蛎湯』の他に『加味帰脾湯』があり、腎の補助なら『牛車腎気丸』とか『知柏地黄丸』というよう候補があるので、相談してみて下さいな。

 お客様から『クエン酸』を求められ、加湿器の掃除に使うというので掃除用と食品添加物の両方を案内したところ、買い物代行で依頼されたということで、「お金持ちだから」とのことから価格の高い食品添加物の方をお買い上げいただいた。
 両者の違いは工場の清潔さで、食品添加物のを作っている工場のほうが管理が厳しいということをメーカーの人から聞いたことがあるが、掃除用の方も充分に管理しており、メーカーの立場としては掃除以外に使って良いとは言えないものの、「間違えて」口にしても安全だそうな。
 個人的には、重曹と合わせて入浴剤代わりに使っています(・´з`・)

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