「治らないから」と通院をやめないで! 病院に通うのは治すことだけが目的ではありません

 お客様が腰サポーターを購入されるさいにヒアリングすると、整骨院に通っているというので現物を見てもらっておくよう勧めた。
 また、大病を見逃さないためにも整骨院とは別に整形外科にも定期的に通うようお話した。
 一般に、腰痛の原因が分かるのは20%程度で、そのうえ改善するのが難しい疾患の一つでもあるため、「痛み止めを出されるだけ」とか「どうせ治らないから」と通院をやめてしまう患者さんがいるけれど、病院に通うというのは治すことだけが目的ではない。
 どんな病気も経過観察が必要で、それにより原因が分かるケースもあるし、他の隠れた疾患を見つけることもある。
 だから、誕生日なら誕生日というように、年に一度だけでも通院は続けたほうが良い。

 お客様が『ボルタレンEXテープ』を購入されるさいにヒアリングしてみると、以前にも使ったとのことだったけれど、主成分のジクロフェナクトリウムは鎮痛効果に優れているのと同時に浸透力もあって血流にも入っていくから、他に服用している薬や持病がある場合には注意する必要があることを伝えたら、「強い薬なの?」と驚かれたので、体の中で何をやってるかが問題ですと説明した。
 例えば、血圧を下げる降下剤を服用している患者さんに薬の種類を尋ねると、「普通の血圧の薬」という返事が帰ってきて困ることが多い。
 何故なら、血圧を下げる効果は同じでも、血液をサラサラにしているのと、血管を拡張するのと、排尿して水分を失わせることで下げるのとでは、やっていることが違う。
 薬の働き方が違えば、他の薬の種類も持病との影響も変わってくるんである。
 今回のお客様は、特に持病は無く使用している薬も無いとのことだった。
 ただ、使ってる薬は無いと答えた患者さんが、お会計を終えてから「あっ、も血圧の薬はある」とか言い出すこともあって油断できない。
 毎日服用している薬は、薬として認識していないということらしい。

 高齢のお客様からアルコールスプレーについて質問を受け、濃度などよりもパッケージに「消毒」か「殺菌」の表示があることが重要と説明した。
 この2つの用語は、厚生労働省を認可を受けないと絶対に書けないし、認可を受けるためには当然のことながら検査もある。
 申請できない内容か、その費用を惜しんでいる、あるいは人体に直接使わない物には使えない用語なので、他の言葉として「除菌」とか「洗浄」を使っている製品があり、それらは中身も効果も良く分からない。
 お客様は感染予防に、これまでは石鹸を使っていて、しかし不安になって探しにきたというので、石鹸で洗うことは良いことですとお話した。
 石鹸でも流水であれば、一般家庭での感染対策としては充分なんである。
 なにより、手順や使う道具を増やすのは混乱の元だし、手間がかかれば億劫になってきて手抜きをするようになってしまう。
 なので、「シンプルな対策が一番」と伝えると、お客様から「テレビに出てる人みたいで分かりやすい」と言ってただけだ。
 嬉しいけど、テレビに出てるコメンテーターは混乱を招いてるだけなんだよねぇ┐(´д`)┌ヤレヤレ

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