薬物依存の入口は、怪しい売人からの怪しい薬の購入ではありません

 お客様から子供用の『熱さまシート』を求められ売り場を案内したうえで、発熱が38度を超えるようなら氷枕をとお話した。
 患者は7歳の子供で熱は37.5度らしく、本人は元気そうというため薬も使わず様子を見るよう勧めると、普段から使っていないとのことで、それは「絶対ではないけれど、良いと思います」と伝えた。
 食事は早々におかゆにしてるというため、「良い判断です」と答えると「来て良かった」と言っていただけた。

 夫婦のお客様から『エスタック総合感冒』と『エスタックイブ』が値引きになっている理由を尋ねられ、販売期限の関係であることを説明した。
 市販薬は置き薬として保管しておく人が多いから、消費期限の半年から1年前を販売期限にしている小売店が多い。
 法律で決まっているのではなく、あくまで業界の商慣習である。
 もちろん、開封してしまったら消費期限より格段に短くなるので、ご注意あれ。
 そしてお客様には、風邪薬の咳止め成分のリスクをお話して、総合風邪薬の中で唯一と言って良いほどである、咳止め成分の入っていない『PL顆粒』を紹介したり、解熱鎮痛剤・鼻炎薬・咳止め薬を別々に備えておく方法を教えた。
 咳止めの主な成分は覚醒剤系と麻薬系で、薬物依存の入口は怪しい売人からの怪しい薬の購入ではなく、市販されている風邪薬や咳止めの方が圧倒的に多いから、咳が激しくなければ使うべきではない。
 風邪になっても、発熱・喉の痛み・鼻炎・咳などがいっぺんに現れるケースは多くないから、起きた症状に合わせた薬を使うのが望ましい。
 今回は、使う人がいるからとのことで両方とも購入されたけれど、手軽に買える市販薬は気軽に使わないよう重ねて伝えた。
 他に、お客様から抗生剤の内服薬はあるか尋ねられ、市販されていないと答えたうえで、似た目的に使う漢方薬の『排膿散及湯』を紹介した。
 読んで字の如く、菌が悪さをするのを防ぐ効果が期待できる。

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 お客様が咳止め薬の棚で迷ってる様子だったので気にかけていたところ、『パブロンS咳止め』を購入されるのでヒアリングしてみると、「いつも使っている」「置き薬に」とのお話だった。
 咳止め成分が三つも入っているため、少しでも身体への悪影響を減らしたほうが良いかと思い、『プレコール持続性せき止めカプセル』を紹介すると一瞬迷った様子だったが、そのまま購入された。
 いつも使ってるという割には、どうして棚で迷っていたのかは分からなかった。

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