クスリのリスクは、どこまで話すべきか? シレッと「保湿液」なんて書いてあるアルコール製品に注意!

 高齢のお客様から『イソジンうがい薬』を求められ、殺菌力が強くて常用すると体を守る菌まで殺してしまい健康被害も考えられることと、刺激物だから現に喉が痛む時には避けること、そして日常的なうがいは水道水で充分なことを説明したところ、主訴は喉の違和感とのことから、抗炎症成分のアズレン製剤の『パブロンうがい薬AZ』を紹介した。
 すると、夜中に乾く感じがして、血圧の他にも複数の薬が病院から処方されてるというため、どれかの薬の副作用の可能性も考えられることをお話して、調剤している薬局に相談するよう勧めた。
 紹介だけのつもりだったのだが、上半身に保水する『麦門冬湯』と喉を潤す『ストナ去たんカプセル』のうち前者を購入された。

 赤ん坊を連れたお客様が消毒薬の棚で迷ってる様子だったので声をかけたところ、アルコール度数が70%以上の物を尋ねられたので、成分や濃度を気にするより「消毒」「殺菌」の表示の方が参考になることをお話した。
 なにしろ、容器の表にデカデカと「アルコールハンドスプレー75%」と書いておきながら、裏面にはシレッと「保湿液」なんて書いてある製品もあるので。
 もし中身を調べられてアルコールの濃度が足りなかったとしても、それはあくまで商品名であり、保湿液として売ってる物を消毒薬と思って買ったのは、お客の側の勘違いという狙いなのかね?
 そこで頼りにするべきは、厚生労働省の認可を受けていて効果が確かめられてる証拠となる、「消毒」あるいは「殺菌」の表記だ。
 また、アルコールは水分を奪い手荒れの原因となるから、ベンザルコニウムなどの方が肌に優しいことを説明すると、それはご存知のようだったけれど、新型コロナウイルスに効果があるのか、認可の基準が信頼できるのかをやたらと気にされ、どの点にこだわってるのか良く分からなかった。
 それに、新型コロナウイルスのように脂膜を持ったエンベロープウイルスと、脂膜の無いノロウイルスなどとでは、おのずから対処法も変わるので、特定のウイルスや菌を気にしすぎても意味が無い。
 実のところ、石鹸などを使わずとも最低限、流水で30秒以上の手洗いをすれば、たいていの汚れもウイルスや菌も洗い流せるし。
 不安になりすぎて、混乱しているのかもしれない。
 本日は、ベンザルコニウムの『コーワ消毒液』を2本購入された。
 お客様の知人が消費者庁に勤務してるそうで、製薬メーカーが他社製品の異物混入について調べていることをお話しすると、すかさず営業上の理由と分かったから、同業か医療関係者なのかもしれない。
 ちなみに、他社製品に異物が混入していないかを調べるというのは、もしその製品が回収という事態になった場合、すぐに営業が各店舗に赴いて空いた棚に自社製品を置かせてもらうためである。

 若いお客様が母親と来店し、乗り物酔いに使う『アネロンニスキャップカプセル』の大容量をレジに持ってきたさいに眠くなりやすいことを伝えると、お客様は高速列車の乗務員で、1日中効く薬として選んだという。
 以前に、崩壊錠の『センパアトラベル1』を使って眠くはならなかったというものの、錠剤が大きいのが嫌というのもカプセルを選んだ理由のようだ。
 まずは体に合うか確かめるために容量の少ない物で試すよう勧め、母親にも間に入ってもらい6カプセルの物を購入していただくことになった。
 とはいえ、持続時間が長いのが利点の『アネロンニスキャップカプセル』は、やはり脳の認知機能を低下させてしまうから、眠くならなかったとしても仕事に差し障りがあるといけない。
 眠くなる成分の一切入っていない物として、漢方薬の『苓桂朮甘湯』を紹介して、専門家の話を聞くために病院の受診を勧めた。
 本来は、薬物依存の危険性まで言及するべきか迷った挙句、あまり怖がらせてもいけないと思って言えなかった。

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