市販薬を買うときの3大タブー 「良く効く薬を尋ねる」「お薬手帳が無い」「本人と連絡が取れない」

 お客様から『マキロンs』を求められ、売り場を案内するとともに『デシンA』との違いを説明した。
 消毒薬も成分によって微妙に違い、『マキロンs』には皮膚の修復成分が、『デシンA』には弱い局所麻酔が入っている。
 塞がっては困るピアス穴なら『マキロンs』じゃない方が良いだろうし、小さな子供には傷口の疼きを抑える『デシンA』の方が向いていると考えられる。
 ただ、現在では擦り傷や切り傷程度なら水道水で洗えば充分とされており、化膿するのが心配であれば抗生物質の塗り薬を備えておくほうが良い。
 消毒薬を使うとすれば自身で注射をする人や、キャンプなどで水の確保が難しい場合だろう。
 そうお話したところ、お帰りになった。

 高齢のお客様が『セイロガン糖衣A錠』を手に、他に効く薬があるか尋ねられたけれど、患者はご主人で下痢をしやすいから常備薬にとのことで、血圧など6種類以上の薬を服用していて担当医に相談したことがあるかも分からないというため、下手に下痢止めを使えないことを説明した。
 『セイロガン糖衣A錠』自体は安全かもしれないけれど、下痢しやすいのが処方薬の副作用というケースも考えられ、何よりも家族に薬の買い出しを頼むのが当たり前のように慣れてもらっては困る。
 慣れるのなら、医師や調剤している薬局に相談することの方でなければ。
 お客様には、困ったことは科目が違っても医師に相談することと、病院に行ってない時にも調剤している薬局で相談できることをお話したうえで、腸には嗅覚も味覚もあり「匂いも効果のうち」と説明して大幸薬品の『正露丸』を使っていただく事になった。
 『セイロガン糖衣A錠』を単に『正露丸』を甘くコーティングしただけと思っている人が多いけれど、『正露丸』から鎮痙攣と抗炎症の成分を抜いて生薬の種類が減っているから、効果もそれなりに違うと考えられるのだ。 
 それから、ラッパのマークの大幸薬品の『正露丸』と、キョクトウなど他社の『正露丸』とも処方が異なるので注意。
 本来の『正露丸』は下痢止めというよりも、腸を清浄して機能を正常にする薬。
 特に、食中りの場合には悪いモノを早く体外に出したほうが良いから、下痢をピタリと止めてはいけない。
 ところが、下痢止めとして『正露丸』を使う人が多いものだから、同じ『正露丸』という名前でロートエキスの入っている他社製品がある。
 ロートエキスは胃酸の出過ぎによる胃痛などにも使う成分で、つまりは下痢を止めるのも身体機能を落として症状を抑えるから、予後の回復を悪くする可能性があるうえ、閉塞隅角緑内障や前立腺肥大の患者への使用は禁忌となっており、注意事項が異なる。
 外箱を読まず、添付文書も捨てている人が多い市販薬は、扱いの難しい存在なのだ。
 その点では、今回は相談もらえたのは良かったけれど、あくまで「良く効く薬」という尋ね方で、お薬手帳を持参されておらず、本人との連絡が取れなかったから、駄目な事例。
 ……しまった、市販薬を買う時にもお薬手帳が必要なことと、使った市販薬の成分表示をお薬手帳に貼っておくようにというのを伝え忘れた。
 一番駄目なのは自分だったナリ(´・ω・`)シヨボーン

 常連の客様が雑貨を購入されるさいに、このところ目眩(めまい)に悩まされていて、座っていても起きるとのことだった。
 心臓を患ってるお客様なので、ご本人は心配していたけれど医師からは次の健康診断までは検査しなくても大丈夫でしょうと言われているそうで、「私もそう思います」と伝えると、「そう言ってもらえると安心する」と言われた。
 ただ、座っていて目眩を感じたときに立ってみたら、やっぱりフラフラしたというので、それで転ぶと危ないから無理に立たない方が良いと伝えた。
 危ないと分かっていても、なんか試したくなる事ってありますよね。
 でも駄目です(`・ω・´)シャキーン

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