「医者は説明してくれない」は本当か? 患者の側から積極的に質問を

 夫婦のお客様が来店し、ニキビ予防を謳っている指定医薬部外品の『オードムーゲ』を求められたけれど、取り扱っていないことと石鹸を使えば済む話なので不要と考えられることを説明したところ、中学生と高校生の子供が2人して『ペアアクネクリームW』を使っていると分かった。
 他の店で薬剤師に勧められたそうだけれど、誰が使うかを言わず患部も見せずに買ったという。
 『ペアアクネクリームW』が大人ニキビを謳っているのは、、成長期とはニキビの原因やプロセスが異なるからなので『クレアラシル』を案内して、お買い上げいただいた。
 ニキビについては、これまでに何度も日記に書いているので、時間があれば下記のページからご参照あれ。
 

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※ニキビ関連の日記一覧


 大人ニキビが肌の乾燥や血流不良によって新陳代謝が悪くなり起こるのに対し、成長期のニキビは新陳代謝が活発すぎて皮膚再生が偏り炎症が強まりやすい。
 そしてニキビの原因菌であるアクネ菌は、皮脂を好むので肌のくぼみに溜まった皮脂を餌に増殖する。
 ここで単純に洗顔しすぎたり殺菌しすぎたりすると、肌を守る皮脂や身体を守る菌までも減らして外的に対して無防備になってしまう。
 それに、アクネ菌は実は食中毒の原因となる黄色ブドウ球菌を抑制する役割もあるから、いないと困る。
 だから洗顔は、『オードムーゲ』のような物を使うよりも、石鹸やハンドソープを泡立てて肌に乗せたらこすらずに、汚れが吸い寄せられた泡をそのまま洗い流すだけにする。
 塗り薬については、皮膚の表面の薄皮一枚が再生するだけでも1ヶ月はかかるので、かなりの長期戦を覚悟しておかなければならない。
 一進一退になるだろうから、患部の写真をスマホで撮って経過観察しておけば、病院に行ったときの参考にもなる。
 お客様は、1年ほど前に病院を受診したきり行っておらず、何が処方されたかも覚えていないとのことだった。
 医療用のニキビ薬の中には市販されていない物もあるから、通院は検討するべきだし、市販薬に移るにしても医師がどのような診断をしたかを知るために現物か説明書は取っておいてもらいたい。
 もちろん一番は、お薬手帳に記録を残しておくことである。
 また、塗り薬ばかりではなく飲み薬も候補となるから、『清上防風湯』を紹介した。
 お客様に再受診を勧めたけれど、本人が嫌がってるうえ、お客様も「医者は説明してくれない」と不信のようだった。
 ううむ、確かに説明の足りない医師はいるけれど、診察時間は限られているし個人情報に敏感になっている現代においては、患者の側から積極的に質問しないと答えてもらえないという事情もある。
 店頭でも、情報提供しようとしたり詳しい背景を探ろうとヒアリングすると、それを不快に感じて怒られるケースがあるくらいで。
 相談できる医師を探すのが大事とお話して、バランスの取れた新陳代謝を促すために入浴をしっかりするように伝えると、2人ともシャワーで過ごしているというので、背中側に浴びる方法を勧めた。
 太い血管の通った背中側に浴びることで、身体が内側から温まり細胞が活性化して、老廃物を回収し材料を運ぶ血流も良くなる。

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 若いお客様が『桂枝茯苓丸料加ヨク苡仁』を見ていて、購入したのが『新エバユースB26』だったのでヒアリングしたところ、主訴は肌荒れで、価格が高いうえ容量が少ないため、やめたそうだ。
 確かに『桂枝茯苓丸料加ヨク苡仁』を使うとなれば長期間の服用が必要だから、保険の適用薬なので病院を受診して処方してもらうのを勧めてみた。
 お客様は入浴しているそうなので、ぜひ続けるよう伝えた。

 お客様から、ご主人のゲップの相談を受けたのだけれど、降圧剤の他に糖尿や脂質の薬も処方されているというため、『ギャクリア』(六君子湯)を紹介したうえで、調剤している薬局に相談するよう勧めた。
 薬の飲み合わせという問題もあるが、処方されている薬の副作用ということも考えられるから、病院を受診しているのであれば市販薬を買う前に、その確認をしておいたほうが良い。

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