外用消炎剤の冷感・温感は、あくまでそう感じるだけなので鎮痛成分の比較を

 若い外国人風のお客様から、冷却剤の『エアーサロンパスアイシングスプレー』を間違えて買ったからと返品を求められた。
 未開封でレシートもあったら対応したところ、どうやらサリチル酸製剤の『エアーサロンパスジェットα』を買おうと思っていたようなのでヒアリングすると、筋トレのしすぎで足が痛むというため、もう一段階鎮痛効果が高くて皮膚からも吸収されやすいフェルビナク製剤の『エアーサロンパスDX』 を勧めて、お買い上げいただいた。
 また、トレーニング後は入浴やシャワーの前に、まず冷やすよう伝えた。
 打撲や捻挫などもそうだけど、異常な負荷を検知すると患部は痛みの伝達物質を生産してしまうので、急激に冷やして機能を低下させることで生産量を減らせば痛みを継続せずに済む。
 そういう意味では、冷却剤もそのまま使ってもらったほうが良かったのだけれど、まぁ予算の都合もあるしね。

 お客様が外用消炎剤の棚で強めの薬と弱めの薬とを比較していたので、内容が分からないのだろうなと気にかけていたところ、市販薬の中では一番浸透力に優れ鎮痛効果も高い『ボルタレンEXテープ』を購入された。
 血液中にも成分が入っていくから、念のため他に服用している薬や持病は無いかの確認が欠かせない。
 また、使用中はもちろん使用をやめたあとも4週間程度は日光による光過敏症を起こす可能性があるため、日よけ対策をするよう伝えなければならなくて、売る側としては神経を使う薬なので、内容を分からないまま買われるのは怖い。
 今回は、ご主人が3日前くらいに肉離れを起こしたとのことだった。
 薬の使用開始日をメモしておくことと、病院へ行く場合のために成分表示を取っておくよう勧めた。

 お客様が外用消炎剤を次々と見較べていたので声をかけたところ、腰痛に温感の方が良いのか質問されたため、実際に患部を温めて良くなるようであればカイロなどのほうが適してることお話した。
 温感・冷感というのは、あくまでそう感じる成分が入っているだけなので、痛みを抑えるという観点で言えば大事なのは鎮痛成分の種類の方。
 ただ、温感は脳が錯覚して血管を開き、実際に血流が良くなるといえばなることも伝えた。
 反対に冷感は、寒冷地で生きるのに適さない人間の痛覚神経が、痛みよりも先に冷たさを感じるように出来ているので、脳を誤魔化すことも説明した。
 痛みは弱いというため、鎮痛剤というより弱い刺激で痛みを誤魔化すサリチル酸製剤の『アンメルツヨコヨコA』と『トクホンチールOX』を紹介し、後者には局所麻酔が入っている分だけ痛みを感じなくすると説明したところ、またしばらくご自身で選んでから『トクホンチールOX』を購入された。

 お客様が『サロンパス』を購入されるさいに、弱めの薬で良いのか確認すると強いのにしようかと思われたようだけれど、使うのは高齢の父親で腰痛だそうなのだが、詳しい状態は分からないとのことだった。
 また、最初は服用してる薬は無いという話だったのに、鎮痛成分によっては他の薬や持病に影響することを伝えると、前言を翻して「ある」と言われたため、本人の要望を確認したうえで調剤してもらってる薬局への相談を勧め、お帰りになった。
 中には、毎日飲んでいるような血圧を下げる薬などを、もはや生活の一部と化しているのか薬と認識しておらず、使ってる薬は無いと答えたあとで「あっ、血圧の薬は飲んでる」と言い出す患者さんもいるから油断できない。

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