「肝臓分解物」は肝臓に良い? アミノ酸などを、体の負担を少なく吸収できるのが利点です

 お客様から『ヘパリーゼプラスII』と『ヘパリーゼHP』の違いを質問され、後者にはオキソアミジンとニコチン酸アミドが加わっているぶんだけ効果が期待できると説明たところ、後者をお買い上げいただいた。
 オキソアミジンはニンニクから精製・抽出された成分で、糖質を燃やしてエネルギーに変換するビタミンB1の吸収を助けることにより疲労回復に役立つと考えられている。
 そしてニコチン酸アミドは、皮膚や粘膜を正常に保つので、皮膚炎や口内炎の修復にも効果があり、また血流を改善するから肩こりなどにも良い。
 どちらも主成分が「肝臓分解物」ということから肝臓に良いと思われるかもしれないけれど、製薬メーカーとしては効能を取得していない。
 その利点はむしろ、臓器や筋肉を作ったり体内での化学反応に関わるアミノ酸などを、あらかじめ腸に吸収されやすい状態に加工していることにある。
 食べ物を消化・吸収するのにも案外とエネルギーが必要だから、その分の体の負担を軽減できるのだ。
 お客様には、効果的に使うのには血流が大事なことをお話して、入浴などで体を温めるよう勧めた。
 ちなみに、他のお店では「疲れが顔に出る方に」というポップがあったそうだ。
 法律に触れない、上手い言い回しを考えるもんである。
 そういえば、ビールなどのアルコール飲料の前に置いてるドラッグストアがあったな。
 あれは良いのか(・o・)?

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 お客様が『酸棗仁湯』を購入されるさいにヒアリングしてみると、以前に病院で処方されていたそうだ。
 『酸棗仁湯』は心身が疲労して寝付けないような人に向いていて、このことから「寝るのにも体力が必要」だと分かる。
 疲れすぎていると人間の体は生命の危機と認識して、ちょっとした物音や空気の流れなどにも敏感に反応し警戒態勢に入ってしまうのだ。
 特に「心」の機能を調整するので、自分の心臓の鼓動すら気になってしまうくらい神経が昂ぶっているのを落ち着けてくれる。
 お客様には寝付きやすくする方法として、100まで数えるのを10回繰り返す、つまり千まで数える方法を提案すると意外だったらしく、でも「脳を退屈にすれば良いのね」と納得していただけた。
 なんと頭の巡りの良いお客様(´∀`)
 退屈な授業とか退屈な小説とか退屈な映画とか、いつの間にか寝ちゃいますもんね。

 お客様が、使用期限が迫って値引きしている水虫の薬『ブテナロックVR』を購入されたけれど、患者はご主人で、以前に水虫になったというものの今回は受診しておらず、家族も他になってる人はいないというため、先に確定させるのが重要とお話した。
 水虫に間違えて湿疹の薬を使う分には、殺菌作用が無いからぶり返してしまうけれど、痒み止めと非ステロイドの抗炎症成分なら体感の症状の方は抑えられる。
 しかし湿疹に水虫の薬を使ってしまうと、殺菌剤は刺激物でもあるので皮膚の再生を阻害するため、3年ほど水虫の薬を使っていた患者さんが湿疹の薬に乗り換えたらアッサリ治った例もあるから、注意が必要である。
 なお、湿疹の薬を水虫に使う分には危なくないものの、ステロイド剤の入っているタイプだと患部の免疫機能を低下させてしまうので、水虫が悪化してしまうから避けたほうが良いのだが、もしそうなったら水虫の可能性が高いという判断はできるかもしれない。
 オススメはしません、念のため。
 お客様には上記のお話をして、さらに登録販売者の教本の中には水虫の項目が載っていない物もあることを伝えた。
 どうして水虫の項目が無いかというと、病院を受診して水虫と確定していない患者さんに安易に売ってはいけないからだ。

 お客様が『イソジンうがい薬』を購入されるさいに、現に喉が痛む場合には刺激物なので避けた方が良い事と、毎日うがいすると体を守る菌も倒してしまうので水道水で充分なことを説明した。
 使うとすれば、家族が風邪をひいていたり仕事場で風邪が流行っている場合に短期集中でと伝えた。
 新型コロナウイルスでも、うがいは明確に推奨されていなければ、『イソジンうがい薬』の効果も証明されていないのに、なんでこんなに売れるのか。

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