“プロの患者”になるための医師の診察の受け方とは?

 やや高齢のお客様から、指の付け根の痛みにジクロフェナク製剤の『ボルタレン』で良いか尋ねられ、急性の痛みで他に内服薬を使っていなければとお話したところ1ヶ月以上前から痛み、病院には行っていないとのことだった。
 病院は待つのが嫌という話だったけれど、現状の確認のために受診を勧めて、本日はお帰りになった。
 お客様の母親は、バネ指と診断されたことがあるそうだ。
 病院に行くのを、診察を受け、薬を出してもらう、とだけ思っている人は多い。
 しかし、診察を受けて診断してもらうのには、患者の側がどれだけ情報を提供できるか、そしてどれだけ情報を引き出せるかにかかっている。
 例えば店頭でも、指が痛むと相談されたら、基本的な情報だけでも「いつからなのか」「どんな痛み方なのか」「痛みが強くなる時や弱くなる時はあるか」「原因に思い当たることはあるか」「その症状に使った薬はあるか」「他に持病はあるか」「他の持病に使ってる薬はあるか」と、幾つも確認したいことがある。
 しかし、店頭はもちろん医師だって初対面だと訊けるのはこの程度で、どんな仕事をしているのかとか家庭の状況にまでは踏み込みにくい。
 でも仕事の確認をすると、本人は思い当たることとして挙げていなかった作業が原因だったり、家族の介護をしている中での動作に原因があったりというケースもある。
 つまり、患者さんは患者さんなりに関係ありそうなことを話しているのかもしれないけれど、関係あるかどうかは話してみなければ判断のしようが無いのだ。
 そして、医師からの説明が分からなくても、なんとなく頷いてしまったり分かったかのように返事をしてしまうのは、日常の会話でもありがち。
 だから、自分の理解を整理するためにも聞いたことをメモして、分からなければ質問を返すといった、いわば取材をするかのような姿勢が病院を受診したら必要なのだ。
「いつも待たされるのに診察時間は短い」とか、「いつも同じ薬を出されるだけ」というのは、病院のかかり方としては素人なんである。
 そんなふうに、お客様に医者のかかり方を教えると「ありがとう」と言われた。

 子供を連れた夫婦のお客様が鼻炎薬の棚を見ていて、ご主人が『』を選んでレジに持ってきたけれど、予防薬として使うのが効果的なことを伝えたところ、患者は奥さんで、すでに症状が強く出ているというため『鼻炎薬Aクニヒロ』に変更となったのだが、ご主人がムスッとしてしまった……。
 一応ご主人の顔を潰さないように気を使って説明をしたのだけれど、それならご主人が選ばずに「俺が訊いてきてやるよ」と相談してくれれば良かったのに( ´Д`)=3
 『』や『』などは、症状が起きないようにするのが目的だから、発症してからでは効いてくるのに1週間前後かかることがあり、飲み始めたら毎日連用しないとならない。
 もし、すでに発症していて使うとすれば点鼻薬か漢方薬を併用することの検討が必要。
 でなければ今回のように、他の鼻炎薬で症状を抑えてから乗り換えるのがベターだ。
 奥さんには、花粉症の症状は胃腸が冷えてる可能性をお話して、温めるよう勧めると驚かれた。
 花粉症は、防衛機構を担っている腸が花粉を外敵と誤認して起こる抵抗力の暴走なので、冷えて機能が低下しているのを温めて正常にしてやれば、花粉への過度な反応が治まる。
 具体的には、入浴をして服装は下半身に厚着をし、積極的に温かい物を飲食することである。

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