さいたま市立漫画会館で開催されている、里中満智子先生の原稿展を観てきた。
『天上の虹』という、持統天皇を主人公にした作品から主に展示されている。
その作品については未読であったものの、ちゃんと単行本全巻(続刊中)を館内で読めるように置いてあるのが、ありがたい。
登場人物たちが、やけに現代的な思考をしているのが気になるけれども、歴史物の他の作品では権力指向で悪女として描かれがちな持統天皇を、優しくも芯の強い魅力的な女性として読ませられるのは、さすがは里中先生。
これは後で、個人的に買い揃えたい。
そして、美しい描写は、古くても確かな技法で繊細に描かれていて嘆息するしかない。
特にカラーイラストにおける長い髪の艶やかな質感や、薄手の白い羽衣の布目を感じさせる描写は、本当に美しい。
2009年11月23日(月・祝)まで。