主訴だけではなく、他に困っている症状や自覚している体質についても伝えましょう

 点鼻薬を見ていたお客様から、鼻づまりにどれが良いか尋ねられヒアリングしてみると、患者はご主人で病院から処方された漢方薬が効かなかったという。
 その漢方薬の名前は覚えていなかったが、ツムラの物でパッケージの数字の帯が緑色というから『葛根湯加川きゅう辛夷』かもしれない。
 ご主人は鼻汁が喉に落ちてくるのと、鼻づまりのため眠れないというお話をもとに『辛夷清肺湯』を紹介した。
 鼻汁が喉に落ちてくるのは胃を悪くしていると考えられることをお話ししたところ、もともと胃が弱く、しかしそれを医師に伝えていなかったという。
 その情報があれば、胃に負担がかかる『葛根湯加川きゅう辛夷』が処方されることもなかったのではなかろうか。
 『辛夷清肺湯』は、胃を治すことで鼻づまりを解消する生薬構成になっているから。
 処方された漢方薬がまだ残っていることと、お客様は同じ漢方薬で乗り換えるのが不安なようだったため、内服薬と被らない物として点鼻薬の『パブロン点鼻』と『スットノーズα』を案内したところ、後者を購入された。
 すでに漢方薬を飲みきった後であれば、『辛夷清肺湯』をもう少し強くプッシュもできたのだけれど、処方されている薬の服用の中止を私の立場で云うことはできない。
 いや、むしろ処方された薬が効かなかったというのであれば、市販薬を買いに来る前に調剤してもらった薬局か担当医に相談してもらうのが一番の選択である。
 お客様には、鼻づまりが続いている間は胃に優しい食事をするよう勧め、入浴も鼻づまりの改善に良いことを伝えると、家がユニットバスだというためシャワーを太い血管の通っている背中側に浴びる方法を教えた。
 するとご主人は、脇の下にペットボトルを挟む方法を試したことがあるというので、寝る時に横を向いて枕を頭ではなく首の頸動脈に押し当てる方法も教えてみた。
 こうすると、押し当てた頸動脈と反対側の鼻が通るようになるのだ。

 お客様から『ロキソニン』を求められ、近くのドラッグストアーも薬剤師が帰っている時間だったため、化学構造式が似ているイブプロフェン製剤での対応を提案したところ、しばらく『イブ』などの製品を眺めていたが、お帰りになった。

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