『正露丸』は種類がいっぱい! 成分表示を確認して、自分の目的に合わせよう!!

 いつも『ストッパ下痢止めEX』を購入される、やや高齢の常連のお客様から手荒れの相談を受けて『ヒビケア』を案内すると「高い」と言うため、油分の『ワセリン』で患部の保護を提案したうえで、同じく油分を含んでる『ユースキンA』を紹介したところ、そちらをお買い上げ頂いた。
 予算のことは効きにくいので、こうしてハッキリ言ってもらえると助かる。
 皮膚の材料を運ぶのは血流なので、湯呑みにお湯を入れて握ることにより指先の細い血管を開く養生方法を勧めたところ、お湯でマッサージをしているとのことだったのだが、それだと皮膚を守る皮脂を洗い流してしまう可能性を伝えた。
 朝は温かい缶コーヒーを握っているというので、それを家でもやるようにと伝えると「ありがとう」と言っていただけた。

 若いお客様から『イブクイック頭痛薬』を手に整腸剤を求められ用途を尋ねたところ、海外に行くというので、そうであれば海外で入手しにくい薬を持っていくのが良いとお話しし、『正露丸』を案内したうえで無印と糖衣錠の違いと、大幸薬品と他社製品の違いを説明した。
 よく誤解されるが、大幸薬品の『正露丸』は5つの生薬から構成されており、糖衣錠は甘いコーティングをしただけではなく、炎症を抑えるのと痙攣を鎮める生薬を抜いた、3つの生薬のみとなっている。
 おそらく、人間の腸にも味覚と嗅覚とがあって、あの匂いも効能のうちなので、コーティングすることでその効果を見込めないから抜いたのだろうと思う。
 そして、『正露丸』を下痢止めとして使う人は多いが、食中りの場合は原因となっている物を早く排泄したほうが良いから、大幸薬品の『正露丸』には下痢をピタリと止めるような成分は入っていない。
 しかし、やはり下痢止めとして使う人が多いからか、イヅミやキョクトウなどには内臓の働きをあえて抑えることで下痢を止めるロートエキスが足されている。
 つまり、同じ『正露丸』の名前がついていても処方内容が異なり、効果も違うのだ。
 海外や旅行に持っていく場合、私としては食中りのことを考えて、下痢止めは別に用意して大幸薬品の『正露丸』を持っていくのがお勧めだけれど、荷物を少しでも減らしたい場合には、ロートエキスの入っていてる他社製品を選ぶのも良いだろう。
 いずれにせよ糖衣錠は、シクシクとした腹痛などへの効果が弱くなると考えられるので、私はお勧めしない。
 また、お客様には風邪薬で吐き気に対応できる物は現代薬には無いことを説明したうえで、胃腸炎にも使える『柴胡桂枝湯』を紹介した。
 他に、塗り薬に抗生物質とステロイド剤があれば持っていくよう勧めたところ、家には無いとのことで両方を合わせてある『クロマイP軟膏』と、イヅミの『正露丸』、そして『柴胡桂枝湯』をお買い上げ頂いた。
 抗生物質が必要なのは、日本なら転んで擦りむいても「舐めときゃ治る」というくらいで済むけど(舐めないで、水道水で洗って下さい)、海外では地面にどんな雑菌がいるか分からず、清潔な水の確保も難しいからである。
 また、抗炎症作用の強いステロイド剤は、虫に刺されたり植物に触れてかぶれた場合に役に立つ。
 今回、『イブクイック頭痛薬』については、解熱鎮痛剤は向こうでも入手できるので取りやめとなった。
 それから、疲れを取るシャワーの浴び方として、太い血管と太い神経が通っている背中側に浴びる方法を教えた。
 そうすれば血流が良くなり疲労物質の回収が速やかに行なわれ、シャワーの神経の刺激によってリラックス効果が期待できるのである。
 長期出張でホテルぐらしになりがちな人や、夏場に湯船に入るのが嫌という人にお勧め。

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