薬の副作用で検査結果だけ良くなってしまうこともあるので注意

 高齢のお客様が奥さんにと『遠志(オンジ)』を求めて来店され、体との相性もあるので一番容量の少ない『ワスノン』を勧めて、お買い上げいただいた。
 ところが会計を終えて帰る段になって、奥さんは多くの薬を服用しているというため、まず担当医に服用の相談をするように伝えた。
 すると、引っ越してきたばかりでまだ一回しか新しい医師に会っていないとのこと。
 引っ越し作業で疲れているとすれば、遠志の入った『加味帰脾湯』を使うことも考えられる。
 いずれにせよ、市販薬を使うには処方薬との併用には気をつけなければならないので、重ねて医師に相談するようにお話した。
 これはなにも、薬の組み合わせによる副作用が心配だというばかりではない。
 例えば遠志は、 糖尿病の検査で数値上だけ良い結果をもたらしてしまう。
 もちろん、実際に糖尿病を改善させる効果などは無い。
 つまり、処方薬以外の薬を飲むことによって検査結果が良くなってしまうと、治療の判断を誤ってしまう可能性があるのだ。
 だから、処方されている薬があるのであれば、市販薬はもちろんサプリメントなども、担当医への相談や報告はしてもらいたいところ。

 やや高齢のお客様が『Q&Pコーワゴールドαプラス』を求めて来店し、売り場を案内すると値段の高さに驚かれたので似た処方の『パワーアクトゴールドα』を紹介したところ、今度は「ネットでキューピーコーワが効く」と見たと言われるため、効き目と価格は関係無いことを説明した。
 ただ、『パワーアクトゴールドα』には血流を良くする当帰は入っていないけど。
 主訴は疲れ目と肩こりだというため『葛根湯』も紹介すると、使ったことはあるというものの、効果は覚えていない模様。
 そして『Q&Pコーワiプラス』を紹介すると、効いたら大きいのにするとのことで小容量の物を購入された。
 入浴はしているそうで血流の大切さを分かっていらしたため、熱い濡れタオルを目の周りに当てる方法も勧めた。

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