主訴と薬のアンマッチを見つけ出すのは難しい

 お客様が『エスタックイブファインEX』をレジに持ってきてヒアリングしてみると、15歳の子供が鼻水と喉の痛みを訴えていて、微熱もあるらしい。
 ただ鼻水は透明だそうなので、まだ初期であればと『葛根湯』を提案してみた。
 すると、そもそも薬は避けたい様子で、家には喉の痛む風邪に適した『ベンザブロックL』があり、まだ使っていないとのことから、まずは体を充分に温めて休ませ、様子を見てから進行した場合に『ベンザブロックL』を使ってみてはとお話すると、お帰りになった。
 透明な鼻水は内臓の冷えが原因だと考えられるし、もし本当の風邪だとしても本来は自然に治るものである。
 以前に製薬会社の治験データを見せてもらったことがあるけど、風邪薬を使った場合と使わなかった場合で完治するまでの期間に有意義な差は認められず、効果はあくまで症状の軽減だけ。
 そして取り込んだ薬効成分を体は処理しなければならないことからすると、風邪薬を服用することが体への負担となり、かえって疲労してしまう可能性がある。

 『パブロンSゴールドW』を持って来たお客様に、喉が痛むようでしたら同シリーズでは『パブロンエースAX』の方が適していることを伝えると、患者はご主人で主訴は鼻水と咳であり、喉の痛みは無い模様。
 それならば適用すると考えられるので、そのままお買い上げいただいた。
 余計なことではあるが、この一言をかけないと主訴と薬のアンマッチを見つけ出すのは難しいんである。
 お客様には、鼻水が透明なのは内臓が冷えている可能性があり、積極的に温かい物を飲むなどして体を温め、消化にエネルギーを奪われないよう消化に良い食事にして量を控えることを勧めた。

 お客様が『バファリンルナi』と『プレミアムバファリン』を一緒に購入しようとされるので、処方構成が似ていることをお話すると、娘さんが頭痛や生理痛に使うとのことだった。
 一つの薬で複数の症状に役立てたいという気持ちは分かるけど、生理痛には子宮の痙攣を抑える成分の入った『エルペインコーワ』という生理痛専用の薬もあることを紹介し、症状によって鎮痛剤も使え分けるのが効果的なことを説明した。
 すると、姉妹では違う薬を使っているのというので、それは良いことですねと伝えた。
 一見同じ症状でも、家族間で体質が違うということはあり得るので。
 それにしても、成分表示を見較べてもらえれば、両者がほとんど同じだと気づくのではと思ってしまうが、たぶん見ているところが違うのだろう。
 反対に、『バファリンA』だけが同シリーズの中で唯一、成分違いなことも知られておらず、「バファリンを頼まれた」ということで、バファリンと名のつく製品を適当に買われてしまうことがある。
 そこをどうサポートするか、お客様から尋ねるとこなく薬を買われることが多い現状では、なかなかに難しい課題である。

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