皮膚に塗るクリーム製品は皮膚の流れに沿って

 お客様から、除菌・消臭の『クレベリン』の効果について質問された。
 う~ん、実のところ住居環境に左右されるんだよねぇ。
 密閉性の高い部屋なら効果が期待できるし、うちのように築何十年の木造住宅なんかじゃ期待薄。
 あと、家族化風邪をひいているとかでなければ、感染予防には手洗いのほうが重要だし。
 ペットを買っていたりとか目明確な目的がある方が、効果を感じることができるかな。
 というようなお話をすると、空気清浄機についても尋ねられた。
 カビに対しては製品によって性能差が大きいものの、ホコリ等を少なくするのはアレルギーの抑制に役には立ちます。
 いずれにせよ、宣伝文句には騙されないように、カタログスペックをよく吟味する必要があるかと。
 どうもこの手の質問に対しては、私は「過度な期待はするな」という考え方なので、ある意味偏った返答になってしまう(^_^;)

 『ヒビケア』を求めて来店したお客様に患部の状況を確認すると、患者さんは成人の妹で患部は踵だそうなので、『ヒビケアFT』を案内した。
 大きな違いとしては、皮膚の再生を促す脂溶性のビタミンA油が加わっていること。
 同じ処方構成の『ヒビプロFTα』も紹介し、本人がブランドを指定していないのであれば、価格で選んでも差し支えありませんとお話したところ、『ヒビプロFTα』を購入された。
 ただ、本人は踵が固くなって割れたとだけ認識しているような話だったけど、そもそも固くなるのは体の防御機能でもあり、何かしら患部に負荷が掛かっているのが原因と考えられるため、入浴時に掌の親指の付け根を使いマッサージをするよう勧めた。
 この時、強く押してマッサージする必要はありません。
 あくまで、血行とリンパを動かすためなので。
 強い刺激を与えると、やはり体の方としては防御機能が働いてしまう。

 『HPクリーム』を見ているお客様に声を掛けてみたところ、手荒れに尿素クリームを使ったら合わなかったというので、『HPクリーム』を勧めてみたけど「高い」と言われ、『ユースキンA』を提案したら、以前に使って効かなかったそう。
 勧める物が次々と断られるのは珍しくないので、幾つ引き出しを持つかが鍵。
 だけど、その引き出しが浅いのが私σ(^◇^;)。
 特に皮膚疾患は、苦手なのです……。
 そこで、今度は『ワセリン』を提案すると、ベタつくのが嫌だそう。
 ううむ、突破口は無いものか。
 あと、よくワセリンがベタついて苦手と言われるけど、塗り過ぎが原因だったりするんだよねぇ。
 もし手の甲に塗るためだけで、人差し指の先にワセリンを取っていたら、それは塗り過ぎ。
 手の甲の面積なら、小指の爪の面積よりも少なくて良いくらい。
 それを充分に伸ばせばベタつかないし、セリン自体も製品によって純度が相当に違うため色々と試して合う物を探してみてもらいたいところ。
 そんなお話もしたうえで、『メンソレータムメディカルクリームG』を紹介し、他に夜間に『メンタームA』で皮膚の再生を促し昼間に『メンタームS』で保護する方法を教えたけど、こちらは「面倒くさい」と言われた。
 う~ん、う~ん、あとどうしよう(;´Д`)
 頭で考えている間の話題つなぎに、クリーム製品は手に広げるように塗るのではなく、皮膚の筋に沿って(例えば掌なら手首から指に向かってではなく、横に皮膚の筋が流れている)塗り込むのが良いことをお話した。
 すると何故か、以前に効かなかったという『ユースキンA』の購入を決められた。
 塗り方が悪かったと、考えたのだろうか……。
 あっ、ええと、ええと、皮膚の再生を促すために入浴時には手も湯船の中に入れてくださいと補足説明をした。

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