薬は強ければ良いというものではないので

 ヒビ割れの薬を求めて来店したお客様に患部を見せてもらうと、指の関節部が切れているようで、水仕事が原因らしい。
 昼の仕事では手袋を付けられず、家での家事では手袋をしているそう。
 ふむぅ、できれば傷口を絆創膏で塞ぎたいところなんだけど。
 ひとまず『ヒビケア』と『ヒビエイド』を案内し、傷口が治ってきたら『ユースキンA』に乗り換えて夜間にケアするよう勧めた。
 それと、皮膚の再生を促進するために夏野菜を一時的に排除するくらいの勢いで、思いっきり根菜に偏らせるようお話した。
 特定の目的のためには、バランスの良い食事ではなく、期限を切って食生活を偏らせるという手法も必要になるので。

 『バジルシード』を求めてお客様が来店したけど、うちのお店では取り扱っていない。
 どうやらテレビ番組で取り上げたらしく、『チアシード』より栄養があってダイエットに向いていると紹介されたそう。
 お客様からは「置けば買いに来る人いっぱいいるわよ」と言われたけど、どうせ一ヶ月も経たずに売れなくなるに決まってる。
 本部から送り込まれた『ココナッツオイル』なんて、売場で山積みのまま賞味期限切れを待つばかりである(;´д`)
 番組では、一人の人の体重の変化を追跡してたらしいけど、お客様には健康情報を見たり人から勧められた時には、相手と自分とにどれだけ共通点があるかを参考にして、安易に飛びつかないようにお話した。
 まぁ、それでも『チアシード』は買っていかれましたが。

 カップルが『ロキソニン』を求めて来店し、置いていないため、化学構造式の似ているイブプロフェンで代用できるのではと『イブA』を提案したところ、使う女性が持っているとのこと。
 じゃあどうして『ロキソニン』を買いに来たのかというと、「ロキソニンの方が効くと思って」と男性のお答え。
 ところが、用途を確認すると朝方に頭痛がするそうで、痛み方はズキズキするという。
 その頭痛は、血圧の変化か胃の不調が原因じゃないかなぁ。
 頭痛は朝方だけで昼前には治まるというから、血流改善の『ズッキノン』(釣藤散)か胃腸の関連する頭痛の面倒を見てくれる『柴胡桂枝湯』が適応しそうですが、と紹介してみた。
 少なくとも、胃の不調が原因だとすれば、胃に負担のかかる『ロキソニン』は避けたほうが良いし、『イブA』で効くのなら継続してみてはとお話しした。
 そして、室内では暖房を入れていても下半身に二重に何か履くようにして、下半身を積極的に温めるよう勧めた。

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薬は強ければ良いというものではないのでへの2件のコメント

  1. アバター はぐれ薬剤師
    はぐれ薬剤師 コメント投稿者

    よく、一発で効く風邪クスリ、一番強い鎮痛剤は?とか聞きますが、全てタイミングですから上手に説明できる薬担当者の器量が問われますね。成たての薬剤師さんは薬成分、成たての登録販売者さんは直ぐに商品名が頭をよぎります。自分的にはお客様のライフスタイル、嗜好物の情報がなく商品が先に出ることは絶対にありませんから、相手は生身のヒトです、この辺の指導を出来る人が必要ですね。医療も同じですね。患者さんのライフスタイル、嗜好物も何も聞かず処方する現状は理解できません。経験と失敗から学ぶしかないですね。

     
    • アバター 北村俊純
      北村俊純 コメント投稿者

       一発で効く薬は、こちら側も知りたいところで(笑)
       周辺情報を聞き出すには、小手先のテクニックだけでは駄目なので難しいところです。
       精進します(`・ω・´)ゞ