• タグ別アーカイブ: 加味帰脾湯
  • 人参 (ニンジン)

    漢方生薬煎じ薬 刻500gの価格参照

    (1) ウコギ科のオタネニンジンの細根を除いた根、又はこれを軽く湯通ししたもの。調製法により、白参、生干人参、御種人参、紅参などがある。いわゆる「朝鮮人参」とは別物。
    (2) 主成分:サポニン精油、脂溶性成分、ペプチドグリカンアミノ酸ペプタイド塩基性物質、ビタミンB群ATPなど
    (3) 性味:甘・微苦、微温
    (4) 薬能:大補元気・安神益智・健脾益気・生津止渇、中枢興奮作用・中枢抑制作用・疲労回復促進作用・抗ストレス作用・強壮作用・男性ホルモン増強作用・蛋白質生合成促進作用・DNA生合成促進作用・脂質生合成作用・放射線障害回復促進作用・血圧降下作用・心循環改善作用・血糖降下作用・脂質代謝改善作用・血液凝固抑制作用・コルチコステロン分泌促進作用・抗胃潰瘍作用
    (5) 帰経:肺・脾
    (6) 配合処方:温経湯、黄連湯、加味帰脾湯帰脾湯、桂枝人参湯、啓脾湯、呉茱萸湯、柴陥湯、柴胡加竜骨牡蛎湯柴胡桂枝湯柴朴湯柴苓湯、四君子湯、炙甘草湯十全大補湯小柴胡湯小柴胡湯加桔梗石膏参蘇飲清暑益気湯、清心蓮子飲、大建中湯大防風湯竹じょ温胆湯釣藤散、当帰湯、女神散人参湯人参養栄湯麦門冬湯半夏瀉心湯半夏白朮天麻湯白虎加人参湯茯苓飲茯苓飲合半夏厚朴湯補中益気湯木防已湯六君子湯



    漢方生薬煎じ薬 刻500gの価格参照

     

  • 大棗(タイソウ)

    漢方生薬煎じ薬 調剤用500gの価格参照

    (1) クロウメモドキ科のナツメ、又はその他の近縁植物の果実
    (2) 主成分:トリテルペンおよびエステル類、サポニン多糖類など
    (3) 性味:甘、微温
    (4) 薬能:補脾胃・養営安神・緩和薬性、抗アレルギー作用、抗消化性潰瘍作用、抗ストレス作用
    (5) 帰経:脾・胃・心・肝
    (6) 配合処方:胃苓湯、越婢加朮湯黄耆建中湯、黄連湯、葛根湯葛根湯加川きゅう辛夷甘麦大棗湯帰脾湯加味帰脾湯桂枝加芍薬湯桂枝加芍薬大黄湯桂枝加朮附湯桂枝加竜骨牡蛎湯桂枝湯呉茱萸湯五積散、柴陥湯、柴胡加竜骨牡蛎湯柴胡桂枝湯柴朴湯柴苓湯、四君子湯、炙甘草湯小建中湯小柴胡湯小柴胡湯加桔梗石膏参蘇飲、清肺湯、大柴胡湯大防風湯当帰建中湯当帰四逆加呉茱萸生姜湯排膿散及湯麦門冬湯半夏瀉心湯平胃散防已黄耆湯補中益気湯六君子湯



    漢方生薬煎じ薬 調剤用500gの価格参照

     

  • ≪第11回≫黄連解毒湯、柴胡加竜骨牡蛎湯

     実際の症例を元に、患者さんの症例データーを提示します。
     “書いてある内容”から推理して、適応すると考えられる漢方薬の名前を当てて下さい。基本的に当店で扱っている漢方薬としますが、解答としては必ずしも限定しません。「なるほど、その方法もあるか」と思われる解答であれば、正解とする事があります。(生薬のみや民間療法などは除外します。)
     正解者の中から、抽選で3名様に【ボーノ】ザル付きクッキング鍋を進呈いたします。絶対の正解というものはありませんのであくまで、“あそび”として楽しんでいただければと思います。皆様の参加をお待ちしています。

    【ボーノ】ザル付きクッキング鍋

    boil.jpg (360781 バイト)

     【ボーノ】ザル付きクッキング鍋を、3名様にプレゼントいたします。

    募集期間:~9月5日(月)
    正解発表予定:9月12日(月)

    問題
     男性。34歳。
     職業は農業。
     体格は普通、顔に艶があり、声も大きく張りがある。
     主訴は、鬱病と肩こり。
     通院歴があり、以前に抗うつ剤を服用していた事があるが効果を感じられなかったとの事。
     肩こりは、肩だけでなく首筋や背中もこり、背中はだるく痛みもあるという。
     上半身は熱く、のぼせて目が充血している。
     睡眠はとれるようだが、イライラしやすく癇癪持ちという自覚があり、不安感も強い。
     その他に、立ち眩み、鼻づまり、胸焼けと胃もたれがある。
     以上のことから、まずは上半身の熱を降ろす必要があると考え、それと共に神経を鎮める物を併用する事にした。
     2種類の漢方薬を使い、その後、のぼせが取れ、気分的にも落ちつき、体調が良くなったという。
     それぞれの漢方薬は何か。


    正解
     正解は黄連解毒湯柴胡加竜骨牡蛎湯です。
     両方が揃った正解者はありませんでしたが、もとより幾つかの組み合わせがありますので、特に選んだ理由を記入された方の中から、どちらか一方を答えている方を正解とさせていただきました。
     当選したのは、以下の3名の方です。おめでとうございます。
    寺山雄一郎様…選んだ理由:実証ののぼせには桃核承気湯が効くことがある。実証の鬱病、癇癪には柴胡加竜骨牡蛎湯が効くことがある。
    いっちょん様…選んだ理由:上半身の熱をとる代表として黄連解毒湯、胃腸を整えながら神経を鎮めるものとして抑肝散加陳皮半夏が最適と考えました。
    ペペロンチーノ様…選んだ理由:のぼせの原因が高血圧と見て肩こりや目の充血にも効く釣藤散を、黄連解毒湯はのぼせ気味でイライラする傾向に効果があるので併用するのに良いと思いました。

    解説
     まず上半身の熱を降ろす必要があると考えましたので、降性のうえ寒性があり、胸焼けなどが随伴症状にある事から瀉性のある物を選びます。
     この段階で幾つか候補がある訳ですが、熱を降ろすのと同時に神経を鎮める作用のある物として黄連解毒湯を選びました。
     特に黄連解毒湯は赤ら顔の患者さんに適応しやすく、目が充血するほどの人の場合には、生薬の山梔子(サンシシ)に止血効果もある事から、最初の選択として良いでしょう。
     次に柴胡加竜骨牡蛎湯ですが、これは小柴胡湯から甘草(カンゾウ)を除いて、水分の代謝を良くする茯苓(ブクリョウ)と、鎮静効果の高い竜骨(リュウコツ)と牡蠣(ボレイ)を加えた物です。
     人間の体熱が一定に保たれるのは、血液や体液が循環することによるので、体の一部に熱が偏るのは水分代謝の異常が考えられます。
     立ちくらみもまた、水分代謝の異常を示していると云えるでしょう。
     そして、柴胡加竜骨牡蛎湯は基本的に実証タイプの人に用いますが、体力が中等度であればイライラや精神不安などある場合に、最初に使うことができるという利点があります。
     今回は、上半身ののぼせを降ろす際に選びやすい物と、イライラしたり精神不安のある際に選びやすい物を組み合わせたのが功を奏したようです。

    補足
     正解者に挙げていただいた漢方薬を検討してみますと、桃核承気湯も当然候補になるかと思います。
     特に含まれる生薬の桃仁(トウニン)はお血を取り除くのに効果的でしょう。
     ただし、桃核承気湯におけるのぼせへの効果は発散性であり、熱を降ろしたり冷やしたりするのは弱いと考えられます。
     一方、抑肝散加陳皮半夏は生薬の柴胡(サイコ)による胸脇苦満を治す作用と、釣藤(チョウトウ)による鎮静作用が期待できます。
     しかし同時に、元になっている抑肝散という処方がそうであるように、虚症で貧血傾向のある人の神経の昂ぶりに用いると考えた方が適当でしょう。
     釣藤散は生薬として石膏(セッコウ)が入っており、熱証向きである事は間違いありませんし、名前にもなっている釣藤は先に書いたように鎮静作用に優れているうえ、血圧降下作用も認められています。
     特に生薬の菊花(キクカ)は、眼や脳の充血を取り除く効果があり、今回の患者さんの状態に適しています。
     組み合わせで考えた場合には、黄連解毒湯の代わりに釣藤散を用いるのが良いかもしれません。
     他に寄せられた答えの中には、次のように物がありました。
     七物降下湯は、鎮静作用の強い釣藤も入っており、高血圧にも効果があります。
     しかし、七物降下湯は、やや特別な部類に入り、冷え症で虚弱体質の人の高血圧に用います。
     これはどういう事かというと、虚弱な人の中には、体の方で「弱いから頑張ろう」と頑張り過ぎてしまい、その結果として高血圧になったり、目が充血してしまう場合があるのです。
     そのため、今回のように体格が普通で顔色に艶があり、声が大きいような人には向きません。
     似たような物として、加味帰脾湯という解答がありました。
     効能書きにもあるように、やはり虚弱体質で顔色の悪い人に用いるのが一つの指針になります。
     特に貧血のある人で、イライラしたり不眠症の場合に用いると効果的でしょう。
     世間では、立ちくらみがあると貧血と勘違いされる事が多いようですが、立ちくらみは貧血の症状の一つにしか過ぎず、立ちくらみの原因は多岐に渡るので注意が必要です。
     逆に、これは強すぎるのではないかと思った物として、三黄瀉心湯という解答がありました。
     生薬はたった三つで構成されており、そのいずれもが降性で寒性があり、脳溢血の発作に用いたり、戦国時代には止血剤として使われたという記録もあるほどです。
     もちろん、だからこそ効果は期待できるものの、その強さゆえに一般的には便秘のある事が使用の際の条件として挙げられる事が多いため、便通について触れていない今回の問題では除外させていただきました。
     センソ牛黄元を一緒に組み合わせるという解答もありましたので、それも良いかもしれません。
     今回の解答で迷ったのは、熱を降ろすのと、熱を発散するのとの違いでした。
     その意味では、半夏厚朴湯葛根湯加川きゅう辛夷の組み合わせというのも興味深かったのですが、除外させていただきました。
    「イライラしやすく癇癪持ちという自覚があり、不安感も強い」という点から半夏厚朴湯を挙げたのは、良い着眼点だと思います。
     主な生薬の半夏(ハンゲ)と厚朴(コウボク)は共に降性で、今回の症状にも使えるかもしれません。
     しかし、今回の患者さんは胸焼けや胃もたれがあるとは言っていますが、実際の胃の働きについては問題からは分かりません。
     そして、半夏厚朴湯は胃アトニー(胃が働かない)場合の不安神経症に適しており、その参考の一つに咽喉の痞え感を訴えているかどうかを確かめる必要があるでしょう。
     また、興奮すると息がしにくくなるなどの呼吸器の状態も参考になります。
     葛根湯加川きゅう辛夷は、肩から背中にかけてのこりと鼻づまりに注目したからだと思いますが、その主な作用は上半身を熱する事によって熱を発散するのだと覚えておきましょう。
     沸かしたお湯に氷を入れて冷やすのではなく、鍋の蓋を開けておいて放熱する事で冷ますというイメージになります。
     そのため、顔が赤いなど、明らかに熱証と思われる患者さんには適しません。
     他に、杞菊地黄丸小柴胡湯という組み合わせの解答がありました。
     杞菊地黄丸は、やはり生薬の茯苓と沢瀉(タクシャ)が水分の停滞を除き、牡丹皮(ボタンピ)が血液の循環障害を取り除くので、効果が期待できます。
     やや心配があるとすれば、血色の良い人には不向きで、多少なりとも手足に冷えがあるか、口の渇きを訴える、やはり年寄り向けの処方だという点でしょうか。
     小柴胡湯は解説で書いた通り、柴胡加竜骨牡蛎湯の元になった処方で、より精神神経症状に対して効果の高い物を選択した方が良いと思われます。
     番外として、サトウセントジョーンズワートと、その成分の西洋オトギリ草を挙げた方もいらっしゃいました。
     ヨーロッパや中央アジアに分布する直立性の多年草で、古くから不眠症や鬱病、ヒステリーなどの治療に用いられてきました。
     お店としては宣伝になって良いのですが(笑)、やはりクイズの主題が漢方薬ですので、今回はハズレとなります。
     今回は久しぶりに2種類の漢方薬を答えるという形式でしたので、どちらもファーストチョイスとなる物になる問題を選んだつもりでしたが、やはり両方が揃うという解答はありませんでした。
     それ自体は当然といえば当然だったと思います。
     個人的に興味深かったのは、同じ熱を取り除くのでも、降ろす物と発散する物とでは、効能書きだけを見ていると似ているようでも違うのだなという事を、改めて認識できた事でした。
     これにさらに、石膏(セッコウ)などのように直接冷やす物もあります。
     一つ一つの生薬の効果を調べるのは難しいとは思いますが、似た効能でも、その効果を発揮する過程が違う物もある事を、皆さんにも知っていただければ幸いです。

    解説:北村俊純

    参加者コメントより
     まりん:とても見やすく、内容もわかりやすいサイトですね。
     ありがとうございます。これからも宜しくお願いいたします。
     かとう:久しぶりの症例クイズで楽しませて頂きました。
     発表の方が遅れに遅れてしまい、大変申し訳ありませんでした。また、機会がありましたら、ぜひご参加下さい。
     久保田 美穂:漢方は飲んでいたこともあり、よく勧められるので、興味を持っています。こちらでは、クイズを通して勉強でき、いいなと思いました。ただ、最初に掲示板を見て、怖い書き込みが沢山あり、びっくりしてしまいました。その後他のページを見て、安心しましたが。楽しみにしています。
     掲示板の件については、ご心配をおかけしてしまったようで申し訳ありません。件のイヤガラセをしてきた人物が名乗っていた会社は解散したようですので、ひとまず安心できるかと思っています。どうぞ、気兼ね無くご利用下さい。
     ペペロンチーノ:調べているうちに更年期障害の症例が検索に多数ヒットして人事じゃないなと感じました。その時は私も漢方のお世話になります。
     まぁ、薬に頼らないのが一番ですが、それでは商売上がったりですので、何かの折にはご相談下さい。