薬を代理で買いに来た人が、どこまで本人に聞き取りしているのか、それが問題

 お客様から、ご主人がクシャミをしているとのことで飲み薬を希望され、『小青龍湯』を案内したけれど、鼻水は無いというため点鼻薬を提案し、弱い局所麻酔の入ってる分だけ鼻腔内の刺激を軽減する『スットノーズαプラス』を勧めた。
 すると、鼻の痒みは無いと言われたが、鼻腔内が何らかの刺激を受けてクシャミになることを説明し、、お買い上げいただいた。
 花粉症がそうであるように、クシャミや咳は異物を体内に侵入させないための防衛反応。
 つまり、病気になって起こる症状ではなく、病気を防ぐためなのだけれど、順序を逆に考えてしまう人は多い。
 それに、本当にクシャミ以外の症状が起きていないのかは、本人でなければ分からない。
 一番困ってる症状に対する薬を頼んだものの、本人にとって優先順位が低いと考えている症状については言っていないだけの可能性もあり、ヒアリングしているうちに一見関係の無さそうな症状がリンクし、本人の当初の想定とは違う薬を候補になることも。
 今回も飲み薬を求められたのが点鼻薬に変更になったし、それが本人の希望に沿っているかは分からない。
 だからお客様には、本人が店頭で相談するのが一番と伝えた。

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 お客様から『トレーネ鼻炎薬』を求められ調べてみると、『パブロン鼻炎カプセルSα』などの一般的な鼻炎薬の処方だったので、そのことを説明した。
 主訴は鼻水で、昨年は他の店にも『トレーネ鼻炎薬』があったのに今年は無いというため、契約の関係かもとお話して、どうしても欲しければメーカーに卸し先を問い合わせるか、ネット通販の利用を勧めた。
 売り場の面積は限られているから、似た処方の薬があるのに各社の製品を揃えておくことはできないため、よほど珍しい処方内容の薬でなければ、特定の市販薬の銘柄に拘るのは得策ではない。
 ただ、症状が鼻水だけであれば内臓が冷えているのが原因と考えられるので、温かい物を飲んでお風呂に入り、お腹周りを保温すれば治る可能性を伝えたところ、お帰りになった。

 常連のお客様が『アレグラFX』に興味を持たれたようなので、『アレジオン』も交えて、花粉症の症状が起きないように予防的に飲むのが効果的な薬であり、飲み始めたら一定の期間は1日も欠かさずに通して飲む必要が有ることを説明した。
 すると、症状は鼻水だけというので体を温める工夫を重ねれば治る可能性もお話してから、すでに発症してる場合には『パブロン鼻炎カプセルSα』などで症状を抑えてから乗り換えた方が良いと紹介した。
 『アレグラFX』や『アレジオン』の場合、すぐに効く人もいるものの、本格的に効果を発揮するまで1週間ほどかかるケースもあるので。
 お客様は、1日2回の『パブロン鼻炎カプセルSα』か、水無しで飲めて1日3回の『パブロン鼻炎速溶錠EX』か迷いに迷って、速溶錠を購入となった。
 そして、花粉症と腸のお話をした。
 外部からの異物の侵入を監視している腸が、驚異ではない花粉を敵と誤認して過剰な対処をしてしまう免疫反応の異常が花粉症である。
 腸には脳と同じ細胞があるとはいえ、そこまで頭は回らない。
 あくまで補助システム。
 その腸が冷えたり、食べ過ぎで消化に忙しくなったりすると、機能が低下して花粉に誤反応してしまうのだ。
 だから花粉症を軽減するためには、腸が働きやすい環境を整えてあげるのが養生法。
 簡単なのは、お腹周りを冷やさないための工夫と、消化しやすい食事に切り替え、ヨーグルトや漬物などの発酵食品が苦手でなければ、毎日の食事のメニューに取り入れる。

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