皮膚疾患の対策は、患部の保護と、血流の改善が要です

 お客様から『ワムナールプラス20』の値引き品について、使用期限までに使い切れないだろうから、過ぎたら効果が無くなるのか質問をされ、効果が無くなることは無いけれど、一般論として安全性が保証できないと答えた。
 主訴は踵(かかと)の荒れで、布団と擦れないよう寝る前には、たっぷり塗るよう勧めて、お買い上げいただいた。
 手荒れもそうだけれど、寝ている間には案外と寝返りを打ったり布団と患部が擦れがちなので、患部を保護する対策は必須。
 治す成分は入っていなくても、『ワセリン』などを使って、細胞が壊れる早さに治す速度が追いつくようにしてあげるのが良い。

 お客様からウオノメの薬を求められ売り場を案内したうえで、『ウオノメコロリ』は液剤と絆創膏タイプでは中身が異なることを説明したところ、絆創膏タイプを購入されたけれど、反応からすると日数がかなり経過してるように思われた。
 受診勧奨するべきだったかもしれない。
 まず、同じ銘柄の『ウオノメコロリ』でも、基本の皮膚の新陳代謝を促す成分は同じなものの、液剤には皮膚を柔らかくする成分が加えられている。
 そして、ウオノメというのは何か皮膚を守らなければならない理由があって患部を固くする疾患なので、日数が経過していると身体は患部を固くすることを学習しているため、市販薬では解決できない。
 お客様には、今のうちに病院の目星をつけておくようにとだけ伝えると、「皮膚科ですか?」と訊かれ、「そうです」と答えた。
 ただ、もし行きつけの病院や診療所があるのであれば、紹介状を書いてもらってから皮膚科に行くという方法もある。
 この「紹介状」というのは、ただの手紙ではなく「医療情報提供書」というもので、患者のカルテを相手の医師に示すことができ、受けた側の医師は診察の結果や治療についての情報を元の医師に返信することになっているから、自身の情報の共有化は自分のためになる。

 お客様から掌の荒れの相談を受け、以前に病院でステロイド剤が処方されて良くなったのでハンドクリームを使っていたら再発し悪化してしまったというため、ステップダウン方式のお話をしてハンドクリームに移る前の治療にと『ヒリギレ』を紹介したうえで弱いステロイド剤の『ロコイダンクリーム』を案内した。
 『ロコイダンクリーム』をお買い上げいただき、寝る時には『ワセリン』か手袋で患部を保護するよう勧めた。
 実は、クリーム剤と軟膏には使い分けがあって、皮膚のバリア機能を破って浸透するように調節されているのがクリーム剤で、ベタつくことにより患部を保護するのが軟膏だから、症状の激しい場所にはクリーム剤を、皮膚同士や服などと擦れる場所には軟膏を用いる。
 ベタつくからと軟膏を嫌がる人がいるけれど、そのベタつくことで絆創膏の代わりになるのだ。
 また、患部の範囲が広い場合には、塗り拡げやすい液剤か乳液剤を使うというように、剤形は好みで選ぶ物では無い。
 お客様から、サッカーで素手なのは良くないか訊かれて、手袋はした方が良いものの、寝る時に靴下を履くことによって体がサボることもお話した。
 どういうことかすというと、冷え性の人が対策として寝る時に靴下を履くと、身体の方は自身で熱を出すことをサボることを学習し、ますます冷えやすくなってしまうのだ。
 とはいえ、サッカーの時なら状況自体が普通ではないから手袋で保護した方が良いし、寝る時に治ろうとするのを邪魔しないように手袋をした方が良い。
 お客様には、シャワーで過ごしてるというため、浴び方を教えたうえで、湯船に入ることと、お湯を入れた湯呑みを握る養生法を勧めた。
 皮膚の材料は血流で運ばれるから、血流を良くする工夫が効果的。

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