発熱しても、すぐに下げちゃいけない? 解熱剤は使うタイミングの検討を

 お客様が『HPこどもかぜ薬』と『ムヒこどもせきどめシロップ』と『熱さまシート』をレジに持ってきたけれど、4歳の子供が鼻炎と咳がして、家に子供用の『バファリン』があるというので、『ムヒこどもせきどめシロップ』が併用できることをお話すると、『HPこどもかぜ薬』はキャンセルとなった。
 総合風邪薬は解熱鎮痛剤と鼻炎薬と咳止めの入った、いわば「全部乗せ」だから、他の薬を用意しておく必要は無い。
 ところが、風邪だからといって複数の症状がいっぺんに出るということは滅多に無いから、総合風邪薬では使いどころに困ることもある。
 だから、解熱鎮痛剤と鼻炎薬と咳止めはバラバラに用意しておいたほうが対応しやすい。
 全部乗せのほうがお得感があって便利に思えるかもしれないが、体の方は起きていない症状の成分も処理しなければならず、余計なエネルギーを消耗してしまう。
 なお、もし発熱しても解熱剤を使うには、本人の状態を確認し、タイミングを検討する必要性があることを説明した。
 発熱は免疫機能を高めてウイルスを退治したり、壊れた細胞の修復のために血行を良くするためでもあるので、あまりに早く薬を使ってしまうと長引く原因になりかねない。
 それは、ジャンプをしようとしゃがんだところを蹴り倒すとか、喧嘩の仲裁をするのに味方だけ取り押さえて敵からボコられるようなもの。
 目安としては、発熱の準備である悪寒が終わり、熱が出る一方で汗をかいているか、発熱していても元気そうにしていたのが過ぎてだるそうにしている、あるいは体温が38度を超えたら、解熱する。
 本格的な解熱には体感を涼しくするだけの『熱さまシート』や『冷えピタ』などでは力不足なので、水枕を使うようお話した。
 また、心配な場合は地元の救急医療情報センターに電話相談するよう勧めた。
 24時間対応で、病院を受診するべきかどうかや、その時間帯に受診可能な病院を教えてもらえる。

 中国人の夫婦のお客様から下痢止めを求められたけれど、奥さんは妊娠3ヶ月で腹痛もあるというため担当医に相談するよう勧めたが、来日したばかりで決まっていないとのことだった。
 下痢止めの多くは、内臓の機能を低下させるロートエキスの入った処方なので、実はあまり気軽に使える物ではない。
 腸の働きを整える『正露丸』でさえ、大幸薬品以外の物だとロートエキスが入っていることがある。
 今回は、胃腸炎に用いる『柴胡桂枝湯』を案内したところ購入され、地元の救急医療情報センターの電話番号を教えた。
 それから、治るまでは形のある食事は良くないので、インスタントスープなどで過ごして、無理に栄養を摂ろうとせずに食事を控えるよう勧めた。
 脱水症状を避けるために、塩分と水分の補給は必須。

 お客様から『ロキソニン』を求められ、近くのお店も薬剤師が帰ってる時間なことを説明した。
 主訴は歯痛で、ロキソプロフェンと化学構造式の似たイブプロフェン製剤での対応も検討するようお話したところ、まだ家に残ってるとのことでお帰りになった。
 『ロキソニン』は歯科医で処方され、以後は市販薬で良いと言われたとのこと。
 歯科医院が『ロキソニン』を指定したのかまでは分からないけど、薬剤師のいるお店で勤務時間中しか買えないことや、特に指定が無ければ店頭で相談するようにというところまで患者さんに説明しておいてもらいたいところ。
 まぁ、中には何を説明されても「聞いてない」という困った患者さんもいるけど。
 歯痛であれば、「痛い場所に効く」アスビリン製剤の『バファリンA』の方が良いように思えるし、『ロキソニン』は効くのは早いが抜けるのも早いから、突発的な頭痛ならともかく痛みが長く続くシチュエーションには向かないとも考えられる。

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