痒み止めも目的によって成分を選ばないと効かないことがあります

 お客様から乾燥性の痒みの相談を受け、患部は赤くはなく、虫刺されの薬が家にあるか尋ねると『キンカン』を使って効かなかったという。
 『キンカン』は灼熱感により痒みを誤魔化しているだけで、痒みや炎症を抑える成分は入っていないから当然であることを説明した。
 痒いところを叩くと、痒みは気にならなくなるみたいなもの。
 個人的には、『キンカン』は血行を良くするから、肩こりに向いていると思う。
 お客様には、痒みを抑える『メンソレータムAD』を基本に、油分の多い『メンソレータムADボタニカル』と尿素の入った『メンタームEX』を案内した。
 乾燥を防ぐには大きく分けて三つの方法があり、一つは『ワセリン』などの油脂を塗ることで蒸発を防ぎ、もう一つはヘパリン類似物質で血流を良くすることで潤いを保ち、三つ目は尿素によって水分をガッチリと皮膚に捕まえておく。
 今回は表皮を油分で覆って蒸発を防ぎ、ハーブの香りのする『メンソレータムADボタニカル』を試していただくことになった。
 香りや匂いもまた、効能を手伝うんである。
 電話で問い合わせてもらえれば、家にある薬が適応しそうかの相談にもお答えしますと、お客様に伝えた。

 お客様が『ストナジェルサイナス』をレジに持ってきたけれど、咳は無く、主訴は鼻水というため鼻炎薬を提案し、『アルガードクイックチュアブル』に変更となった。
 症状は一週間前からで、入浴せずにシャワーのみというため、鼻水の原因は内臓が冷えているからと考えられるので入浴するのが改善には必要とをお話ししたうえで、シャワーだけで済ます場合には太い血管が通っている背中側に浴びて、その間に髪や身体を洗い、少しでも長く浴びることで体を温められることを教えた。
 また、積極的に温かい物を飲んだり、お腹周りを冷やさないよう下半身に厚着をするよう勧めた。

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