錠剤の真ん中に線があっても割線とは限らないので、まず薬剤師さんに相談を

 お客様からピルカッターの問い合わせがあり、取り扱っていないことと、足で売っているお店を探すのは難しいことをお話しした。
 ピルカッターを探している目的を尋ねたところ、処方された錠剤が割られておらず割線があるというので、普通のカッターの刃をライターなどの火で熱消毒して切る方法を教えた。
 また、錠剤が飛び散らないように大きめのタッパーの中で作業をするよう伝えた。
 しかしお客様が帰ってから、錠剤に入っている線が割線とは限らず、割ってはいけない錠剤もあることをお話しし忘れたことに気づいた。
 そもそも、お客様の目的を優先したのが失敗。
 調剤した薬剤師さんに相談することを、最初に勧めるべきだった。

 お客様から『正露丸』を求められ、大幸薬品とイズミ製薬とでは処方が違うことを説明した。
 具体的には大幸薬品の『正露丸』は昔ながらの処方なのに対して、『正露丸』を下痢止めの目的で使うことが多いことから、イヅミ製薬では腸の働きをわざと抑制するロートエキスを足してある。
 お客様の主訴は下痢と腹痛で、冷たい物の飲み過ぎが思い当たるというため『胃苓湯』も紹介したうえで、下痢を止めるために内臓機能を抑制するのも勧められないことをお話しし、大幸薬品の『正露丸』をお買い上げいただいた。
 お客様からは、「漢方薬は長く飲まないとダメ?」と尋ねられたので、風邪には『葛根湯』というように、急性症状には早く効くことを説明した。

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