耳鳴りの原因もいろいろあります

 お客様が『リフレライフ』(安中散加茯苓)を見ていたところに声をかけてみたけれど、案内は断られた。
 そして『太田漢方胃腸薬2』を手にされたさいに同じ処方であることを伝えると、ご主人が胃のつかえを訴えていて、食べ物が降りていかないようだと相談された。
 お酒は飲まず普段は量を食べる方とのことから『半夏瀉心湯』を勧め、試していただくことになった。
 本当は『半夏瀉心湯』が適応するかどうかの参考に、みぞおちから少し右寄りの肋骨の下側に指を入れて痛みを感じるか調べるというのがあるのだけれど、これは本人が来ていないと分からない。
 痛みを感じるようなら適応に確信が持てるから、後でご主人に試してみるようには伝えた。
 また、入浴を勧めてみたがシャワー派だというので、背中側から腰にかけて重点的に浴びるようお話した。
 太い血管と太い神経が通っているから、少しでも血流を良くするのと神経に刺激を受けることで内臓の働きを助けるためである。

 お客様から『Q&Pゴールドαプラス』などのビタミン剤の質問を受けたが、 用途は耳鳴りでキーンという音ではなく、換気扇のような音がするとのことだった。
 耳鳴りにビタミン剤が効くという情報はネットで見たそうだが、確かに神経の伝達を補正するのにビタミン剤は有効であるものの、耳鳴りの原因は神経だけではない。
 水分代謝が関係する『苓桂朮甘湯』や、高血圧の影響が考えられる『七物降下湯』『釣藤散』を案内したところ、血管拡張型の降圧剤を服用していると分かり、耳鳴りも高音ではないというということから『苓桂朮甘湯』を試していただくことになった。
 今回は服用している薬の現物があったから分かったけれど、降圧剤といっても水分を排泄するタイプや血液をサラサラにするタイプなど作用機序が薬によって違うため、お薬手帳を持ち歩くようにお願いした。
 よく「血圧の薬を飲んでる」とだけ言われても、ちっとも手がかりにならないんである。

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