使う薬の成分の特性を知らないとモッタイナイ

 お客様から、成人の息子さんの捻挫の腫れを相談された。
 病院で骨折はしていないと診断されたものの、2週間近く経っても腫れが引かず、湿布なども処方されていないとのこと。
 自分でフェルビナク製剤やインドメタシン製剤は使っていたようだが、薬剤の特性は知らないようだった。
 そして詳しく情報を聞いてみると、風呂上がりに貼って朝には剥がして、蒸れるため日中は使っていないと分かった。
 フェルビナク製剤の方はインドメタシン製剤より浸透力があるのだから、それをほぼ寝ている間だけしか使っていないというのはモッタイナイ話である。
 そこで、フェルビナク製剤の湿布を継続し、日中は同剤の液体タイプを使うよう提案して両方をお買い上げいただいた。
 また、食養生として炎症を誘発する夏野菜を避け、傷めた患部の再生を補助するために豚汁の食材に短期間偏らせるよう勧めた。
 偏った食事で健康を害するのだから、その逆に目的を持ち期間を定めて偏らせるんである。

 親子のお客様が来店し、小学生の頬の赤ニキビの相談を受けたので、抗炎症作用の成分が入っている『クレアラシル』を案内してお買い上げいただいた。
 そして詳しく訊くと、ニキビを潰してしまったと分かり、本人には皮膚のターンオーバーが約1ヶ月周期であることと3ヶ月以上の長いスパンでの治療が必要なことを説明した。
 また、顔はこすり洗いをしないで石鹸や液体ソープを泡立てたら、その泡を顔につけてそのままサッと洗い流す方法を教えた。
 日常の汚れ程度なら汚れは泡に吸いつくから、こすり洗いをして皮膚を守る皮脂や常在菌まで流してはいけないのだ。
 親には、当面は夏野菜を避けて根菜に偏らせるよう勧めた。
 お帰りになってから、『清上防風湯』を紹介し忘れたことに気がついた。
 うちの子供も中学生になってからニキビが目立つようになり、『清上防風湯』を使っているとかなり症状が落ち着く。

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