薬の効き目を言葉にするのは難しい

 やや高齢のお客様から疲れ目の相談を受け目薬の売り場を案内したが、症状に合わせて選ぶようお話したところ、「悪いところは無いの」とのことで、なんとなく使ってみようと思ってと言われる。
 特に何も無ければ、使う必要もありませんが(^_^;)
 それでもヒアリングしているうちに、なんとなく疲れ目というお話になったため、お湯に浸したタオルを目に当てる方法を勧めると、お風呂でマッサージはしているとのことだった。
 価格と効き目に関係は無いことをお話して『新サンテドゥ』と『ソフトサンティアひとみストレッチ』などを紹介し、お客様自身が『ロートゴールド40マイルド』を選び購入された。
 他に加齢によるシワの相談を受け、保水のためにこまめな水分補給を勧めた。
 なにしろ下手に薬を案内して、使いたがられても困るので。
 ところが今度は、ご主人には急に発疹が現れることがあると相談され、寒暖差アレルギーや肝臓の機能が関係する可能性をお話した。
 肝臓は悪くないとのことだったが、例えば足の速い人と遅い人がいて足が遅い人が足が悪いということにはならないように、肝臓の機能が他の人と比べて劣るとして肝臓が悪いとはならない。
 しかし他の人と比べて劣る分だけ、使い方や負荷については気をつけなければならないこともあり得るので、油断のないようにしてもらいたいところ。

 漢方薬の棚で迷ってる様子のお客様に声をかけてみたけれど、案内は断られた。
 『腎仙散』をレジに持ってきたので使用経験を尋ねたところ、あるとのことだった。
 ただ『猪苓湯』より効き目が穏やかなことを伝えると、知らないようだった。
「効き目が弱いということか」と訊かれ、そんなことありませんと答えてそのままお買い上げいただいた。
 薬の効き目を言葉にするのは難しいもので、穏やかなのと弱いのは違うし、良く効くというのが強いということでもない。
 そして最終的には強い弱いと言うよりも、相性だったりする。
 薬を選ぶというのは、ギャンブルのようなもんなんである。
 私たちにできるのは、少しでも勝率を上げるお手伝いをすること。

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