店員から声をかけられたくない気持ちは分かるけど

 漢方薬の棚で『葛根湯加川きゅう辛夷』『荊芥連翹湯』に『チクナイン』(辛夷清肺湯)を見較べて迷っている様子の客様がいたので声をかけてみたが、案内は断られた。
 しかしその後も長く迷っているので、邪魔にならないよう気を付けながら使い分けを申し出たところ、昔から鼻づまりが酷く病院にも行っているとのことだった。
 処方されていた薬は不明だが、鼻汁が喉に落ちてくるとのことから胃が弱っている可能性を考え、『チクナイン』を勧めてお買い上げいただいた。
 普段はシャワーばかりだそうなので、入浴して温まることが症状を軽減するのに大切なことをお話しした。
 鼻づまりを起こしやすい人は、体内の温かい空気が上半身に溜まりやすく、熱の循環が適切に行われないのが原因となる。
 ちゃんと入浴して血管を開くとともに、下半身を温めると体内の熱も循環して鼻の通りが良くなるのだ。
 しかし環境や好みの関係で無理であれば、首の周りと鼻の周囲に重点的にシャワーを浴びるよう伝えた。
 せめて血管を開いて、患部周辺の血流を良くして溜まった熱を運んでもらうんである。

 中学生の咳の相談をお客様から受けたところ、発症したのは5日ほど前からで、痰や喉の痛みなどは無いとのこと。
 兄の咳が移ったのかもしれないとお話があったが、受験生だということだったためストレス性の胃炎により体内が乾燥して咳になるケースもあることを説明し、『麦門冬湯』と『ブロン錠』を案内しすると前者をお買い上げいただいた。
 また受験対策に、緊張を緩和する咳止めの『半夏厚朴湯』を紹介した。

 『ベンザブロックL』を購入されるお客様に症状を尋ねると、喉の痛みと咳ということで、他に症状が無ければ胃炎の可能性も伝えると苦笑いされた。
 適当なことを言ってると思われたのか、それとも思い当たったのか(´・ω・`)?
 でも、ここで恥ずかしがったり悔やんでは駄目なんである。
 もしかすると、思い当たってそこから薬事相談が始まったりするのだから。
 店員から声をかけられるのを煩わしいと思う気持ちは、私も分かる。
 訊きたい時には自分から店員に声をかけるから不要という考え方も、もっともだと思う。
 でも自身の好みの物を買う服や食べ物ならまだしも、積極的に情報収集しないと分からない事柄については、多くの人が面倒を感じ調べるということはしないだろう。
 だとすれば、そもそも知らない事については疑問にも思わないはずである。
 今のお客様は相談を必要としなかったからといって、他のお客様も不要かどうかは超能力者じゃない自分には分からない。
 だから、こうして一言だけでも声をかけてみるしかない。

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