薬は「どれも大して変わりませんか?」ということはありません

 目薬を購入されたお客様から、価格と効き目について質問を受け、必ずしも関係しないことをお話しした。
 価格を決めるのは開発費だったりするし、また目薬はデリケートな部位に使うため、入れて良い成分が決まっており、既存の成分の組み合わせにしか過ぎないので、高いからといって特別良い成分が使われている訳ではない。
 最近はスマホがあるので、自分で成分を調べる方法もあることを教えると、「それは面倒ですね」と言われた。
 そのために私たちがいるので、是非ご相談をと伝えた。

 家族連れのお客様が外用消炎剤の棚を見ていて、奥さんから「どれも大して変わりませんか?」と尋ねられた。
 ご主人が腰痛だとのことなので、鎮痛効果と浸透力が成分によって違うことを説明した。
 病院に行き注射してもらったことがあるというのだが、内容は不明。
 痛みは強くないようなので、鎮痛効果は中程度でも浸透力のあるフェルビナク製剤を提案したが、ご主人の要望で鎮痛効果と浸透力が共に高い、ジクロフェナクトリウム製剤の『フェイタスZα』を、お買い上げいただくことになった。
 また、奥さんの方は胃もたれがあるらしく、『タナベ胃腸薬ウルソ』を手に効果を質問され、量を食べたというより油っこい物による胃もたれというお話から、適応すると考えられることを説明し、お買い上げいただいた。
 よく誤解されるののだけれど、消化というのは胃だけでされるのではなく、脂分は腸によって消化される。
 その場合の胃もたれの原因は、腸の消化機能が落ちていて、胃で消化が終わっている物でも、腸に送る困るのを一時的に止めるために起きるのだ。
 胃がんで胃を摘出したとしても食事ができるのは、腸も消化器官だからで、その場合には医師からは少量ずつ食べるように指導される。
 つまり胃の機能は消化よりも、実は貯蔵機能の役割の方が大きいとも云える。
 そして、腸での消化機能に関わるのは、胆嚢から分泌される胆汁と膵臓から分泌される消化酵素を含んだ膵液の混合物であり、ウルソの主成分であるウルソデオキシコール酸は胆汁の主成分。
 胆汁は車のオイルのように循環していて汚れてくるため、外部から摂取することで交換され綺麗になって腸の働きを、ひいては肝臓の状態も良くするとされる。
 お酒を飲む人には、『新ヘパリーゼドリンク』ドリンクが人気があったりするが、食事の内容に脂物が多いのならば『レバウルソドリンク』の方が適しているのだ。
 お客様には、腸の消化機能を助けるためにも、血行を良くする入浴が有効なことを伝えた。

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