病の恥はかき捨て

 『エスタックイブ』を購入されるお客様に症状を尋ねると、主訴は喉の痛みで他に症状は無いようなので、喉の痛み止めに特化してはと提案したが、いつも使っているとのことで、そのままお買い上げいただいた。
 ただ、実はそんなに痛むわけではないということから、胃炎の可能性をお話ししてみたけど、「胃は丈夫だから」とピンとこないようだった。
 内蔵には本来痛覚神経が無く、胃痛といった症状は近くを通ってる神経が胃の代わりに不具合を脳に報告しているにすぎない。
 しかも、あくまで胃とは関係の無い神経が代理で報告しているだけなので、胃の不具合が背中の痛みとして現れたり、それこそ肩の痛みが実は心臓疾患だったとか、腰痛が肝臓がんの症状だったりということがある。
 だから、胃が丈夫だと思っていると異変に気づきにくく、その間に悪化することがあるので注意してもらいたいところ。

 
 『ガスター』を求めてお客様が来店したが、取り扱っていないことと周辺のドラッグストアもすでに販売できる薬剤師が退勤している時間であることを伝えた。
 患者は奥さんで、腹痛を訴えているらしいのだが、吐き気や下痢は無いというので、『芍薬甘草湯』が使えるかもしれないと思った。
 ところがその痛みの方は、体を丸めるくらい痛がっているというから、救急外来や夜間診療ででも病院に行くよう受診勧奨した。
 繰り返すけど、胃に限らず内臓には痛覚神経が無く、臓器の近くの神経が代わりに痛みを感知するため、胃痛だと思っていたら実は心臓の血管が詰まっていたというケースもあり、油断はできないのだ。
 できるだけ脅かすような言い方は避けたつもりだが、お客様には「 やはり一緒に行った方がいいですね」 と言われた。
 その時は病院に行くのが大袈裟のようでも、後で笑い話になる方が良いだろう。
 死ぬよりは恥をかくほうが、マシである。

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