薬を頼む人と頼まれる人のコミュニケーション不足問題

 大学生の息子さんが口内炎を訴えてるとのことで、ご夫婦のお客様が来店した。
 飲み薬を頼まれたそうだけど、症状については全く分からないという。
 いつ頃から発症したのか、どのていど患部が痛むのかは重要な情報なので、薬を頼む方も伝えておいて欲しい。
 とりあえず、炎症を抑える『トラフル錠』と、実は 同じ処方で喉の痛みに使う『ペラックT』、そして患部の修復をする『チョコラBBピュア』を案内したところ、いつも使ってるのは『チョコラBBプラス』だったようだ。
 それならそれで、薬の名前をちゃんと伝えておいてもらわないと(^_^;)
 そして、息子さんは口内炎によくなるらしく、考えられる原因を尋ねられたため、同じ場所なら歯が当たっているか、そうでなければ神経性胃炎の可能性を伝えて『半夏瀉心湯』を紹介したところ、『チョコラBプラス』と一緒に購入された。

 お客様から、成人の息子さんが捻挫をして3日目ぐらいという相談を受け、お客様はジクロフェナクトリウム製剤の『ボルタレン』に興味を持たれたが、もう日が経っていることでもあるため、鎮痛効果は一段弱くなるものの浸透力はあるフェルビナク製剤を提案したところ、『フェイタス5.0』などは肌色なので「男の子だから肌色は嫌がる」と言われてしまった。
 それなら、患部が動く部分でもあることだから、塗り薬を提案してみたが、本人からは貼る物を頼まれているとのことで、白と思われる『スキュータムA』を選ばれて、購入された。
 日が経ってからは患部を温めることや患部の再生を促すための食べ物といった養生についてや、痛みが引かない場合には病院に行ってみるなどの話もしてみたのだけれど、興味無さげだった。
 余計なこととは承知しているつもりではあるものの、本人も本当にそういう話に興味が無いのかどうか心配になる。
 薬を買ってくるのを人に頼むとすれば、頼んだ相手がどのように情報を収集するのかというのは考えた方が良いように思う。
 まぁ、そこからすれば今回は最初に相談をされたので、良い方なのかもしれない。
 おそらくは、薬を頼まれて、しかし店員に相談せず、パッケージやブランド名で選んで買っていく人が多いだろうから。
 子供には使えない年齢制限や、妊婦や授乳中には使えない物、飲み薬との併用を避けた方が良いケースもあるので、それでは困る……というより怖いのだけれど。

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