お客様から『熱さまシート』の場所を訊かれて、売り場まで案内。
現に発熱しているようでしたら額よりも首の後ろに貼るようにお話したら、熱が出ているのは0歳児だとのこと。
ありゃん。
それは予想していなかった(;´・ω・)
病院は受診していて、薬も処方されているそうなので、まずは安心か。
おっと、それじゃ『熱さまシート』も赤ちゃん用が良いですね、と案内し直した。
赤ちゃん用のは、ベビーコーナーに置いてあるので。
あっ、そうそう、上半身は冷やしても下半身は保温してあげてくださいと伝えた。
『パブロンせき止め』を購入されるお客様の手荷物のスーパーのレジ袋から、冷やしうどんとペットボトルの紅茶が見えていたため、余計なことと思いつつ、温かい物を飲食するよう勧めた。
いやぁ、なんかすいません……。
だってね、咳が出てるというのは、喉や気管支が炎症を起こしているか、あるいは乾燥していて、ちょっとした刺激(それこそ浮く気が通るだけで)に反応している訳で。
そして、人間の体というのは基本的に、熱を出そう熱を出そうとしている。
熱を出さなきゃ、生存のために必要な様々な化学反応を体内で起こせないから。
だから冷たい物を飲食すると、内臓から冷やされるため体の方は「もっと熱を出さなきゃ!!」と頑張ってしまう。
とあるダイエット法では、甘い物を食べたくなったらアイスクリームを食べるよう推奨していたけど、それはアイスクリームのカロリーより、体を温めようとして消費するカロリーの方が多いから。
で、熱というのは上に昇るものだから、横になっていない限りは上半身に影響し、炎症している患部はより炎症したり、熱によって水分が不足して、ますます患部の周囲を乾燥させて、咳の原因となってしまう。
特に『パブロンせき止め』のような現代薬は、患部に刺激を受けた際の神経の反応を鈍らせて咳を止めるため、一時的には症状が軽くなっても、神経を抑えることで保水機能は低下してしまう。
せめてそこで温かい食事をしておけば、体の方も「頑張って熱を出さなくていいか」と落ち着く。
半身浴で長湯をするのが咳止めに有効なのも、同じ理由。
だから、私としては患部を冷やす『五虎湯』か、上半身に保水する『麦門冬湯』の方を勧めたいところなんだけど。
今回はすでにお会計をしてしまったし、お客様も早く帰りたいだろうから漢方薬の案内まではせずに、前段の温かい食事をした方が咳が軽くなると考えられることを伝えた。
まぁ実際は、咳止めを選んでいるところで声を掛けるか迷ったんだけどねぇ。
人と話すのが苦手なので、声を掛けるタイミングが難しく………(;´Д`)
やや高齢のお客様がのど飴を求めて来店され、医薬部外品と医薬品とでは後者を希望との事だったので、『浅田飴ニッキS』を案内した。
ただの飴だと思って、舐めちゃいけない。
いや、舐めなきゃいけないんですが。
キキョウで患部を冷やして、トコンで痰を排出させ、マオウで熱を発散したうえで、ニンジンで患部の粘膜の再生を促すという、シンプルなのに良く考えられた処方。
製品としては大正15年からあるらしいけど、当時と同じ処方なのかな?
あっ、普通ののど飴の感覚で食べ過ぎると、キキョウでお腹を冷やして下痢したり、トコンは「吐根」とも書いて単独では異物を吐き出させるために胃を刺激する作用があるので、ご注意ください。
という世間話は特にしなかったんだけど、お客様の手元を見たら『麦門冬湯』を持っていた。
そうでした、希望の物を案内したのは良いけど、ここからですよ本番は。
症状を確認しないと。
のど飴を求めて来たとはいえ、『麦門冬湯』を手にしてるということは、主訴は咳なのかもしれない。
詳しく訊いてみると、やはり咳が主訴であるらしく、主に寝る時に咳き込むという。
ふむぅ、話したり食事のさいに咳が出るようなら乾燥性で『麦門冬湯』が適応するけど、それは無いというお話だから患部を冷やす『五虎湯』の方が効きそうだ。
『浅田飴』でもキキョウで患部を冷やすものの、去痰作用のトコンがいらないなぁ。
そうお客様に伝えると、『五虎湯』と『浅田飴ニッキS』を一緒に購入された。
あっ、いや……『浅田飴ニッキS』は不要だと思うんですが………。
まぁ、いいか(^_^;)