一人の患者さんが現れたら同じ症状の患者さんが多くいるもので

 小学校高学年の子供が、一週間ほど前に風邪をひいて、その後に鼻づまりと咳の症状が残っているという事で、親子で来店。
 患者さん本人が一緒だと、非常に助かる。
 特に子供の場合は、症状を上手く親に伝えられず、それでいて親の方で意識しないまま自分の経験とすり替わった症状を、「本人が言っていた」というように伝言ゲームになりがちなので。
 親御さんの方は、子供用の風邪薬(アセトアミノフェン系)を買おうと思っていたようだけれど、すでに熱がひいてるところに飲ませてはかえって疲労させてしまう。
 本人に症状を尋ねてみると、鼻汁が喉に落ちてくるというので『辛夷清肺湯』を案内した。
 とはいえ、お金を出すのは親御さんだし、もちろん子供の事を心配しているだろうから、現在の症状では風邪薬は適さない事や、『辛夷清肺湯』の効能を説明する。
 その点、名前が効能を表しているので説明しやすい。
 すなわち、「洟(はな)を通して肺を清める」のです。
 それと、食欲が戻っているように見えて、依然として胃は弱っているはずなので、今しばらく消化に良い食事をするように伝えた。
 本人は、人参は嫌いなものの大根は食べられるそうだから、そこはもう「大根が食べられる! それはイイですね。昔から、胃薬や咳止めに良いと伝えられています(*^o^*)」と強調。
 ……なんか、嘘っぽく聞こえるな。
 いや、ホントなんですよ。
 花粉症というお客様から、アレルギーの体質改善のために、乳酸菌の入っている整腸剤について相談されたので、『ザ・ガードコーワ』を勧めた。
 これは、他のお店の薬剤師さんから強く薦められた物。
 納豆菌が乳酸菌の増殖を助けるそうで、『ビオフェルミン』より効果が期待できるそうな。
 そして、便秘気味の人は便通を良くし、下痢しやすい人は改善するというように、腸の活動を安定させると。
 この腸の活動が、免疫異常によるアレルギーと密接に関係しているらしい。
 咳止めと栄養剤を求めて来店したお客様に、いつ頃から咳が出ているのかを尋ねると、一週間ほど前に風邪をひいて咳だけ残ったとのこと。
「一週間」というフレーズは厳密ではないんだろうけど、やっぱり気候と関係があるせいか、来る時には似たような症状のお客様がまとまっていらして、関係する薬の在庫がヤバイ事になる。
 その在庫を気にしつつ、体内を潤して咳を鎮める『麦門冬湯』と、咳での疲労に合う『HPヒストミンゴールド液』を案内した。
 ……が、もう少し咳の状態を突っ込んで訊いてみたら、寝る時よりも外に出たりして体を動かすと咳込みが激しくなるという。
 むぅ、『五虎湯』の方が適しているかもと思い直し、変更を提案してお買い上げいただいた。
 激しい咳が落ち着いたら、『麦門冬湯』に切り替えましょうとも付け加えて。
 という訳で、意図してなかったけど『麦門冬湯』の在庫が確保できた。
 さーて発注、発注ε=ε=ε=┌(;*´Д`)ノパタパタパタ

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