やや高齢の、すぐに騒ぎだす困った常連さんから鉄のサプリメントを求められて売り場を案内したさいに、本当に必要であれば医薬品の鉄剤をとお話したところ、成人の息子さんが病院で鉄分の不足を指摘されたものの、薬が必要なほどではないと医師に言われたそう。
DHCよりASAHIの方が価格が高いと文句を言いつつ、その高い方のサプリメントを購入された。
相手を不愉快にさせながらでないと行動できない性格というのは、なんとも難儀なことである。
常連で高齢のお客様から鼻水の相談を受け、寝冷えが思い当たるそうで、２日後にワクチンを接種するため心配とのことだった。
閉塞隅角緑内障の治療をしたことがあり、もう大丈夫というお話だったけれど、念のため点鼻薬を提案した。
すると倦怠感があるというので、上半身を温めて血流を良くする『葛根湯』を案内したところ液剤を購入された。
鼻水は内臓の冷えが原因と考えられ、積極的に温かい物を飲むとか、上半身は薄着をしても下半身に厚着をしてお腹周りを保温するだけでも改善することがあることも声明した。
お客様からは、「訊いてからじゃないとね、薬を使っちゃいけないと思って」と言っていただけた。
お客様から『明治メイプロテイン』は味がしないか質問され、食事にちょい足しする物だから味への影響は少なくなるよう作られているものの、大豆の匂いは感じるかもしれないとお話したところ、高齢の母親に水に混ぜて飲ませたいとのことだった。
食欲が落ちており、医師からタンパク質の不足を数値上からも指摘されてるというため玉子料理を提案すると、入院中に何度も出てきたので嫌がるという。
味噌汁なども上澄みしか飲まず、プロテイン飲料についても尋ねられたけれど、純粋なタンパク質は玉子の白身だけを食べるような物なので、必ず味が付けられてることを説明した。
インスタントスープやコンソメスープなどで、具が無くて構わないから飲んでもらうのを優先するようお話して、『明治メイプロテイン』をお買い上げいただいた。
ただ、食欲は視覚とも関係するので、本人が食べなくても形のある食事を用意したり、一緒に誰かと食べて料理を目にするのが大事とお話した。
家族の介護でありがちだが、相手が食べられないからと気を使うことや、あるいは食べさせる手間があるから自分は後でとしてしまうと、一見して形が崩れて美味しくなさそうな外見の介護食では食欲が湧かず、悪循環に陥ってしまう。
高齢者医療の専門施設では、ペースト状の物を普通の食事のように加工しているところもあるそうだ。
例えば、うどんのように見えて本物のうどんではなく、ペースト状の物をケーキに飾り付けする生クリームのように絞り出して麺に見せかけるというように。
一般の家庭でそれをするのは大変だから、せめて一緒に普通の食事をする機会を少しでも持つのが理想だろう。
