「空間除菌に根拠なし」の報道が知られていない?

 お客様から「良く効く風邪薬を」と注文されたが、三日前に発熱したというものの体温を測っておらず、今は症状らしい症状は無いそうなので『新ヒストミンゴールド液』を案内した。
 すると以前に飲んで効かなかったというため、『新ヒストミンゴールド液』は体の下支えをする物でカフェインも入っていないためビックリする効果は感じられないことを説明した。
 とはいえ、お客様が効かなかったという物を勧めるわけにもいかないので、同じくノンカフェインの『ユンケルDCF』の他に、カフェイン入りで『キューピードリンク』と『ハイクタンD』を紹介すると、『新ヒストミンゴールド液』を含めて全部を購入されてしまった。

 子供を連れたお客様から『エアーマスク』について尋ねられ、『クレベリン』ともども、空気感染しないウイルスへの効果は期待できないことを説明した。
 麻疹(はしか)や水疱瘡などの一部のウイルスは空気感染する可能性が指摘されてはいるが、亜塩素酸ナトリウムや二酸化塩素で除去するとなると、かなりの高濃度にしないとならないから人間の方が除去されかねない。
 お客様には、手洗いと手の触れる物の拭き掃除を勧めると、学校で自分の子供だけ対策しても無理と思い『エアーマスク』を考えたようなので、子供には休み時間ごとに手洗いしたり自分の机や持ち物をポケットタイプのウェットティッシュで拭くだけでも予防になることをお話した。
 また屋内でのマスクの着用と、こまめに水分補給をすることでウイルスを喉で増殖させないことも大事と伝えた。
 子供にも話し聞かせるように説明してみたけれど、残念ながら興味は持ってもらえなかった模様。

 お客様から『クレベリン』を尋ねられ、既に売り切れだったため類似品を案内したところ『エアーマスク』についても効果を質問されたので、空気感染しないウイルスに対しては手洗いと手の触れる物の拭き掃除が大事とお話してアルコールティッシュを例に出したところ、そちらをまとめ買いされた。
 家で特に忘れがちなのは、ドアノブや冷蔵庫の取っ手である。
 こまめに水を飲んで、喉を湿らせておくのもウイルスの繁殖を防ぐのに有効なことを伝えた。
 それにつけても、消費者庁が2014年に「根拠なし」と判断したのは、世間であまり知られていないのだろうか。
 メーカーは密閉空間でのデータのみを根拠にしていて、消費者庁は「人の出入りや空気の流れがある生活空間で使うには、十分な裏付けとは言えない」と断じている。

Screenshot of www.nikkei.com

 

 

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