「ドライアイ」を連想させる名前の目薬に注意!! 患者さん自身で分かる症状ではありません

 若お客様から、ドライアイにどの目薬が良いか相談を受け、ゴマ油が入っていて粘度の高い『新ドライエイドEX』を紹介した。
 病院で何か目薬を処方されたようだが、医師からは長く使う物ではないという説明を受け、市販薬を勧められたという。
 ただ、その処方された目薬については名前を覚えていないという。
 語感から良く勘違いされるのだけれど、「ドライアイ」と「乾き目」は異なる。
「ドライアイ」は「角膜が傷ついた状態」で、イメージとしては皮膚に怪我をしているため、角膜の傷を一時的に埋めたり修復を促す目薬を使う。
 その目薬にも種類があり、処方された目薬が分かれば医師の診断が推測でき、市販薬に乗り換えるさいの参考になる。
 一方、「乾き目」は皮膚で考えればそのまま乾燥している状態だから、脂溶性のビタミンAやゴマ油などで膜を張り水分の蒸発を防いだり、コンドロイチンで保水する目薬を選ぶことになる。
 つまり、市販の目薬でドライアイを連想させる名前の商品があっても、実はドライアイに適応する訳ではない。
 市販の目薬ではヒアルロン酸の『ヒアレインS』が、病院でドライアイに処方される目薬の一つと同じ成分ではあるが、実は効能には記載されていないうえ、薬剤師のいる店舗で患者本人しか購入できない要指導薬に分類されている。
 これは成分が危険というより、先述したようにドライアイとは乾き目ではなく角膜に傷がついた状態で、それを診断できるのは医師のみだから、安易に患者が使わないようにということだろう。
 私としても今回『新ドライエイドEX』を案内したのは、水分の蒸発を防ぐのと同時に、粘性が高いのが絆創膏のように保護してくれる狙い。
 ドライアイと乾き目は別物だけど、乾き目への対策はドライアイの予防となる。
 『新ドライエイドEX』をお買い上げいただき、目薬を点したら少し下を向いて1分以上、できれば5分くらい目を閉じておくことと、普段は物を見るときに見下すようにして瞼が開きしぎないようにすること、そして目の材料を運ぶ血流を良くするために目の周囲を温めるのが養生になることをお話した。

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 お客様から『セイロガン糖衣A錠』を求められ、売り場を案内しつつ『正露丸』との違いを説明すると、持ち歩きたいから匂いを気にしてとのことだった。
 両者を同じ物だと勘違いしてる人は多いけれど、大幸薬品の場合なら五つの成分で構成されている『正露丸』から、抗炎症成分と鎮痙攣成分の二つを抜いたのが『セイロガン糖衣A錠』だから、シクシクした腹痛などへの効果が弱まると考えられる。
 また、胃腸には味覚と嗅覚があるので、薬効成分の匂いもまた効き目のうち。
 ところが、そもそもお客様の主訴は胃もたれで、食事での油が悪かったのかもということから、胃腸の働きを助ける『ギャクリア』(六君子湯)を紹介したところ、そちらを購入された。
 それから、冷たい物も食べたいというため、そういう時には温かいお茶を一緒に飲むよう勧めた。
「少しすれば治ると思う」と言って去っていったけれど、実のところ胃腸の不調なんてものは薬を飲まずとも、具材の形が無いような汁物の食事で過ごせば治ってしまうことが多い。

 子供を連れた、やや高齢のお客様から昨日から目がゴロゴロするとの相談を受け、家に帰れば何か目薬があるそうだが持たずに遠くへ来てしまったとのことだった。
 目がゴロゴロするだけだと、異物が入ったのか、モノモライなのかは判断しにくい。
 ひとまず抗菌目薬は候補から外し、異物を洗い流すために多めに目に点すことを想定して小容量が4本セットのビタミンB12製剤『サンティアひとみストレッチ』を紹介したところ、価格の安い物を希望されたので『スマイル40EXマイルド』をお買い上げいただいた。

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