ドラッグストアの店員は、適切な薬の“案内人”であり、安全を監視する“番人”でもあります

 お客様が、ご主人から口内炎のパッチ薬を頼まれたとのことで、基材が溶ける『トラフルダイレクトa』と、口の中に残る『口内炎パッチ大正クイックケア』を案内したけれど、本人の好みも症状の強さや患部の場所も分からないというので困った。
 この2つは、どちらもステロイド剤だから症状が強い場合に適している。
 でも治りかけならば、皮膚の再生を促す成分が主体の『口内炎パッチ大正A』が候補になる。
 そして、パッチタイプが得意なのは頬の内側の場所で、患部がもし唇の裏側だと歯と当たって剥がれやすく貼り直しが面倒だから軟膏のほうが良い。
 そう説明すると、本人は軟膏が口の中で溶けるのを嫌がるとのお話だった。
 とりあえず、一つだけ情報を得られた。
 いや、パッチタイプを希望されてるから二つか。
 本日は『トラフルダイレクトa』を購入されたが、基材が溶けてしまうので食べ物が患部に当たる場合には向かないことと、唇の裏側に貼る場合は貼り直すのが手間になることを改めて伝えた。

 成人の2人組のお客様が『タイガーバーム』を購入され、売るのが最近では珍しいと思っていたところ「レシートいらない」と置いていかれたので、『医薬品副作用被害救済制度』のことを伝えてレシートをお渡ししたのだけれど、こちらには顔を向けてもらえなかった。
 いかに昔から馴染みのある『タイガーバーム』といえど副作用が起こらないとは限らないし、入院しての治療が必要になった場合には、この制度を利用して治療費の申請ができる訳で、そのためにレシートを保管しておいたほうが良いのと思うんですが。

 痩せていて足取りがおぼつかないヨボヨボの高齢のお客様が、総合風邪薬の『エスタックイブ』を3箱もレジに持ってきたため用途を尋ねると、反対に「個数制限のある店もあるからね」と言われたので、厚生労働省の通達なのでどこのお店もそのはずですということと、心肺機能に負担をかける処方内容からもあまり使うのは勧められないことをお話したら急に怒り出して「全部入らない!」と放り出されたため、「良いことだと思います」と返事をしてお見送りした。

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