覆面調査は怖い!? いつも変わらぬ接客を心がけています

 若いお客様が『クロマイN軟膏』を購入されるさいに、抗生剤のみの内容で良いか確認し、「大丈夫」とのお返事だったのだけれど、病院を受診したのか尋ねると病院からは抗生剤の他に抗炎症剤も何か処方されたとのことだった。
 抗生剤も成分によって系統があり、同じ系統を連用していると耐性菌ができてしまう可能性が考えられ、また原因菌によっても使用する成分を医師が検討して処方したかもしれないため、成分表示をお薬手帳に貼って医師に報告するよう勧めた。
 処方された抗炎症剤がステロイド剤であれば、『クロマイP軟膏』の方が適応するケースも考えられるから、そもそもどんな症状に使うのか、それを相談してもらいたいところなれど、それは教えてもらえなかった。

created by Rinker
クロマイ
¥1,151 (2024/04/28 17:33:23時点 Amazon調べ-詳細)

 お客様が、『HPローション』や『ヒルマイルド』と『ピアソンHP』などを較べていて、スマホを取り出しては長考していたので、案内を申し出たものの断られた。
 しかし離れるさいに、どれを選んでも主成分は同じヘパリン類似物質なので、ブランド名で選んでも、価格で選んでも良いと伝えると引き止められた。
 主訴はニキビのようで、ローションとクリームの使い分けと、患部の状態によっては抗炎症剤や抗生剤との併用が効果的なことを説明した。
 ヘパリン類似物質は血流を良くすることにより、老廃物を回収したり、患部を修復するための材料を運んだりしやすくして、新陳代謝を促す。
 そして、ローションなどの液剤タイプは塗り拡げやすい一方、人間の皮膚は外部から侵入しようとする物を防ぐ能力が高く浸透しにくいのに対して、クリーム剤はそのバリアを破って浸透しやすいように調整されており、同じ成分であれば少し効果が高くなる。
 場合によっては、広範囲には液剤を使って、特に症状の激しい患部にピンポイントでクリーム剤を使うという方法も考えられる。
 また、塗り薬に軟膏がある薬なら、ベトつくことのによって患部を絆創膏のように保護してくれる。
 軟膏はベトつくから嫌というように薬を選ぶ人がいるが、剤形の違いは目的に沿って選んだほうが良い。
 ヘパリン類似物質の軟膏は種類が少ないが、そういう場合にはクリーム剤を塗った後に『ワセリン』を重ね塗りするという方法もある。
 そう説明すると、お客様からはお礼は言われたけれど、何も購入せずにすぐにお帰りになった。
 何かの調査だろうか。
 複数の店舗を調べる覆面調査や、自社の監察だったり、保健所の調査なんてこともあるから油断できない。
 まぁ、相手が誰であろうと、基本的な私の姿勢は変わらないけど。

created by Rinker
ピアソンHP
¥1,098 (2024/04/28 17:33:24時点 Amazon調べ-詳細)

 若いお客様が、皮膚の修復成分と抗炎症成分を合わせた処方の『ヒビケア軟膏』を購入されるさいに、傷口になってるのか尋ねたところ、その通りとのことから、養生法としてお湯の入った湯呑を握ることを教えた。
 指の皹(あかぎれ)や手荒れなど、修復するためには細い血管を開いて血液が流れやすくするのが良い。
 中身は飲む人用は無いので、テレビを見ながらとかスマホを片手で操作しながらでも交互に湯呑を握って、血流を良くすることが大事。
 お客様は入浴しているそうなので、それは良いことと伝えた。
 湯船に手を沈めておくと、なお良い。
 ところで、『ヒビケア軟膏』は患者さんのニーズに応えた結果、軟膏のくせにサラサラしていて患部を保護してくれない。
 絆創膏を貼るか、絆創膏の代わりに『ワセリン』を重ね塗りするのが、早く改善するのに役立つ。
 お客様にも、そうお話をした。

created by Rinker
池田模範堂
¥1,570 (2024/04/27 22:38:21時点 Amazon調べ-詳細)

以下の記事も読まれています。


 
登録販売者から一言 壱の巻 登録販売者から一言 肆の巻「おくすり手帳と個人情報の使い方」 市販薬購入前チェックシート