薬は「効くと思えば効く」というから、他の選択肢を提示するのを控えることも

 若いお客様から、コンタクト用の花粉症の目薬をと求められ『ロートアルガードコンタクト』を紹介したけれど、抗炎症成分が少ないことと、15分くらい離せば普通の目薬でも大丈夫と説明した。
 面倒くさいと思われるかもしれないけれど、やはり炎症を抑える効果が低いほうが辛いであろう。
 今回は、『マリンアイALG』をお買い上げいただいた。
 そしてお客様には、症状が激しく出る時には胃腸の状態が悪くなっている可能性をお話した。
 腸には脳と同じ細胞が存在し、ウイルスなどの外敵が身体に侵入しないよう監視している。
 腸が正常であれば、花粉は外敵ではないのでスルーするのに、冷たい物を飲みすぎたり入浴せずにシャワーで済ませたりして腸が冷えると機能が低下し、花粉を外敵だと誤認すると過剰に免疫機能が反応してしまうのが花粉症なのだ。
 また、消化しにくい物を食べたり、暴飲暴食して腸が忙しくなると、同様に敵味方の識別が手抜きとなって発症してしまう。
 なので、積極的に温かい物を飲み、消化に良い食事へと切り替え、湯船に入れるのであれば入浴し、それが無理ならば太い血管の通っている背中側にシャワーを重点的に浴び、服装は上半身は薄着をしても下半身は厚着をして保温に努めるのが養生法となる。
 腸の働きを整えるために、ヨーグルトや漬物などで乳酸菌を摂るのも良い。

 若いお客様が『パブロン鼻炎カプセルSα』を購入されるさいにヒアリングすると、主訴は鼻づまりだというので他にも選択肢があることを伝えたところ、使い心地は良好というため、それ以上は踏み込まなかった。
 鼻炎薬には、アレルギーを抑える成分の他に、鼻水を分泌する穴をキュッと締める成分が入っている物が多い一方、炎症を抑える成分は足りないか入っていない物がある。
 鼻水は内臓が冷えたり疲れていたりすると出るのに対して、鼻づまりは胃炎などで上半身に熱が篭もり、鼻の奥の血管が腫れて膨らんでいる状態なので、抗炎症成分が欲しいところ。
 だから、鼻づまりには患部を冷やしてくれる成分の入った『アネトンアルメディ鼻炎錠』の方が効果的なのだが、薬は「効くと思えば効く」という面もあるため、本人が効果を感じているのであれば、あえて指摘するのを避けた次第。
 お客様は、お風呂は入ろうと思えば入れるというため、入浴を勧めたうえで、シャワーは背中側に浴びるよう勧めた。
 特に熱は上昇し、上半身に熱が篭もる鼻づまりを増強してしまうため、熱を血流で循環させるのが大事と伝えた。

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 お客様が『パブロン点鼻』を購入されるので、連続で使う場合には使わない休息日を入れるように伝えた。
 鼻水を抑えるタイプの点鼻薬は、鼻水の出る穴をキュッと締めるのだが、同時に鼻腔の周辺の細い血管も締めて血流が悪くなり、栄養が行き届かなくなるうえ、流れの悪くなった血管が炎症して鼻炎の原因となってしまう。
 また、鼻づまりの場合には『パブロン点鼻』だと炎症を抑える力が弱いので、ステロイド剤の入った点鼻薬のほうか効果的。
 同シリーズでは、『パブロン鼻炎アタックJL』が鼻づまり向けとなる。
 今回は、お客様から症状を聞き出すことができなかったため、紹介できなかった。

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