乗り物酔い、痔の薬、下痢止め、どんな薬も「使えば楽になる」というモノではありません

 お客様が『トラベルミン』をレジに持ってきたさいに、比較的眠くなりやすくて良いか確認するとバスに乗る時にとのことで困るというため、『センパアラムキュア』と『センパアQT』を案内したところ前者をお買い上げいただいた。
 前者の方が家族で使うことを想定して、子供が1回1錠、大人2錠となっているため、大人も1錠までに留めておくという使い方もできるからだ。
 ただし、単純に他の薬でも子供は大人の半分とかやるのは危険だし、怖いからと飲む量を減らしてしまうと効果が得られなく薬もあるため、自己判断しないように注意。
 そしてお客様には、乗車前は温かい食事をして、乗車中のために冷たい飲み物を用意しておくよう勧めた。
 腸が体温より低い物を受け付けないので、乗り物酔いしないようにと軽食にサラダなど冷たい物を選んでしまうと、温まるまで胃に長く留めておき、それが吐いてしまう原因となる。
 消化に良くて温かいスープなどなら、すぐに腸へと送られて胃は軽くなる。
 一方、冷たい物を飲むと胃の働きが悪くなるので、悪くなれば吐く力も弱くなるから、できれば水筒に氷を入れてキンキンに冷えた物のほうが都合が良い。

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 常連のお客様が『デリケアクリーム』をレジに持ってきて、痔の薬を尋ねられたので売り場を案内したうえで、『ボラギノールA』と『プリザS』がステロイド剤入りで一番強い薬であること、出血がある場合は止血剤の入った『プリザエース』が適応し、痒み程度であれば『ボラギノールM』でも充分と説明して一旦離れた。
 本日は『プリザエース』を『デリケアクリーム』と一緒に購入され、他の塗り薬の場合にはクリームと軟膏と液剤とで使い分けがあることを説明し、痔には舌下錠もあることを伝えた。
 患部が患部だけに、なかなか本格的な相談にたどり着けない。
 だからせめて、薬の特徴や使い分けの情報だけでも提供したいところ。
 例えば、皮膚薬で先ほど挙げた剤形での使い分けは、体内をも守る役割を負った皮膚の防御機能は高く、それを破って有効成分が浸透しやすいように調整されているのがクリーム剤。
 軟膏はベタつくのを嫌がる人がいるが、患部が服などと擦れないように保護してくれる。
 そして液剤は、手を汚さないという理由で好まれる人がいるけれど、患部が広い場合に塗り拡げやすいという特徴がある。
 患部が複数箇所にある場合には、液剤を塗り拡げてから、ピンポイントで症状が激しい場所にはクリームを、服と擦れる場所には軟膏を重ね塗りするということも考えられる。
 あるいは、症状の強い場所にクリームを塗ってから、絆創膏の代わりに『ワセリン』などの油脂剤を重ねて保護するという方法もある。

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 高齢のお客様から下痢止めを求められ、ゴルフでコースに出るのに念のため持っておきたいというため水無しで飲める『ストッパ下痢止めEX』と、昔ながらの赤玉と同じ処方である『エクトールDX』を案内した。
 ただ、どちらにも入っているロートエキスは内臓の機能を低下させて下痢を止めるので、同様に胃の働きも悪くするから、薬で下痢を抑えてたら食事も胃腸の負担にならない物を選ぶよう説明し、『エクトールDX』をお買い上げいただいた。
 それから、外での運動は新型コロナウイルスの心配はいらないとはいえ、手洗いは指の間はもちろん手首までしっかり洗って、手が触れる道具類は拭き掃除するよう勧めた。
 このときの拭き掃除は往復させずに、一方通行で拭き取ること。

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