薬や治療法を選ぶのは、最後には患者の責任? 自分の生き方に関わるので、よく話し合いましょう

 常連のお客様からサプリメントの『ネルノダ』のタブレットを求められたけれど、置いていないことと、効果は期待できないことを説明した。
 まず、「機能性食品」というのは特定保健用食品である「トクホ」と違い、一定の効果があるかどうか行政の審査を受けずに、しけんのデータや論文などを届け出ただけのもの。
 だから駄目だという訳ではないが、効果について科学的な根拠が乏しいのも事実。
 ただし、「トクホ」の手続きに時間と予算を要するため、あえて「トクホ」で申請せずに「機能性食品」として販売しているケースもあり、実際の効果が期待できる物もあるからヤヤコシイ。
 なので成分のみで考えると、GABAの抗ストレス作用が深呼吸よりも有用でないと意味が無いし、ヒハツやショウガで体を温めるにしても食事による養生以上の効果が得られなければ、費用対効果の面で疑問符がつく。
 今回のお客様は、成人の息子さんが海外から帰ってきて時差ボケになってから不調のようだというため、『加味帰脾湯』を紹介した。
 時差ボケがそうであるように、夜勤をする人などが一番やられやすいのは胃腸(脾胃)で、消化機能が低下すると眠りが浅くなる傾向がある。
 寝ていてもウツラウツラしている状態から起こる疲労などを改善するのが、『加味帰脾湯』だ。
 息子さんは『ネルノダ』のことをネットで調べたようなので、『加味帰脾湯』のことも調べてみるよう伝えて下さいとお願いし、本日はお帰りになった。

 やや高齢の常連のお客様から目の充血の相談を受け、よくなるそうで、今回は見た目の充血の範囲が広いため勤め先の人に言われて来店したとのことだった。
 『ロートジープロd』を使っていたというため、充血の「除去」には適しているものの治す薬ではないことを説明していた。
 ただでさえ細い目の血管をさらに収縮させて血が通わないようにすることで目立たなくさせているだけで、連用しすぎると目に栄養が行き渡らなくなり、かえって充血の原因ともなってしまう。
 すると、メントールの刺激が強すぎて嫌だったとのことから、抗炎症成分と角膜の修復成分で構成された『新緑水b』を案内して、お買い上げいただいた。
 目薬の販売時に、できるだけ伝えるようにしている点し方は、目を閉じて少し下を向き1分以上、できれば5分は閉じておく方法。
 顔を起こしてると目の後ろ側から喉へと流れて目に残らないし、瞬きしてしまうと睫毛に持ってか入れてしまう。
 目頭を押さえる方法もあるが、手を洗っていないと感染を誘発する可能性があるので、この方法のほうが安全で簡単。

 やや高齢のお客様から尿漏れの相談を受け、薬かなと思ったけれど、何か言いにくそうにしているように感じたため、男性用の尿とりパッドを案内すると存在を知らなかったようで、試しにと購入された。
 そして、ようやく話をしてくれたところでは、前立腺癌2年ほど治療を受けているそうだ。
 ところが、医師は薬を使うことを提案ているのに対して、薬は怖いからと強く断っているというので、他の病院を紹介してもらって他の医師の意見も聞いてみてはと勧めた。
 いわゆるセカンドオピニオンであるが、気をつけなければならないのは、あくまで担当医の治療方針について意見を聞くだけなので、もし違う治療法を提案されてもその医師の治療を受けることは出来ないし、セカンドオピニオン自体は保険が適用されず自費診療となってしまう。
 新たに提案された治療をしてもらうことを希望するのであれば、いったんその情報を持ち帰って担当医から改めて紹介状を書いてもらい、病院を移るという二度手間となる。
 だから、初めから病院を移る前提で紹介状を書いてもらうという方法も考えられる。
 だが、がんの治療もそうだが基本的には「標準医療」の方針が医師によって大きく違うということは考えにくく、他の医師から驚くような新しい提案がなされるケースは少ないそうだ。
 何故なら、呼び方こそ「標準医療」という凡庸な感じがするが、その「標準」とは現代医療においてもっとも広く行なわれていて効果と安全性の信頼度が高いことから採用された方法だからである。

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