皮膚を保湿する方法は大きく分けると3つ! 予算と何を優先するかで選ぶことになります

 お客様から皹(あかぎれ)の相談を受け、患部が切り傷のようになっておりチクチク疼くというため、人間の神経は弱い痛みを痒みや疼きとして感じることを説明して、『ヒビケア軟膏a』を使っていただくことになった。
 疼きが治った場合の乗り換え先として、ヘパリン類似物質の『アットノン』を紹介すると、一つで両方できる薬はないのか尋ねられ、自然に治るのを待つか促進したいかによると説明した。
 患部の保護さえすれば自然に治ると考えられるから、『ワセリン』や消毒薬の入った『オロナインH軟膏』を塗り続ければ、一つで効くと言えなくもない。
 ただ今回は、患部が疼くというから痒み止め成分が入っていて患部の修復を促す『ヒビケア軟膏a』を最初に使いたいし、ヘパリン類似物質は血流を良くして修復する材料を運びやすくなる一方で、傷口があるうちは出血が止まらなくなる副作用があるから、先には使えない。
 お買い物として考えたら一つで済ませたい気持ちは分かるけれど、患部も治っていく過程で状態が変わるので、薬もそれに合わせて乗り換えていくのが望ましい。
 予算面で厳しい場合には、何を優先するかで選ぶことになる。
 疼きを我慢して患部の保護を優先し『ワセリン』を使うか、痒み止めなどの疼きを抑える成分の入った薬を先に使って、修復に『ワセリン』を使って自然に治るまで保護するかというように。
 お客様には、傷口の治りを促す養生法として、お湯の入った湯呑みを握るのと、入浴時には手を湯船に入れるのを勧めた。
 どちらも、指先の細い血管を温めて開くためである。

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 お客様が尿素に痒み止めと局所麻酔も入っている『メンタームEX』をレジに持ってきたけれど、主訴は足の乾燥による痒みで、痒みは強くないというため、ビタミン剤で皮膚を修復しつつ油分で患部を保護する『メンタータムメディカルクリームG』を案内したところ、『ワセリン』が効果が無かったというお話があり、尿素でガッチリと水分を捕まえておくのは良いことなので、『メンタームEX』と比較すると尿素が濃く痒み止めなどは少ない『ワムナールDX2』を試していただくことになった。
 皮膚を保湿する方法は大きく分けると3つあり、一つは単純に『ワセリン』などの油分で表面を覆い蒸発を防ぐ。
 このやり方は、体内の水分が多い赤ん坊から子供の頃に特に有効で、乾燥している範囲が狭ければベビーオイルやミルクなどで潤いを与えなくても効果的。
 次にはヘパリン類似物質で、血流を良くして水分とともに皮膚を再生する材料を運んでもらうようにする。
 大人になると水分が減ってくるものの、乾燥しているのは表面と考えられるから、血流を良くすれば充分。
 そして最後が、水分を皮膚に捕まえておく尿素である。
 言っしまえば、体内の水分が子供の頃に較べて格段に少なくなる高齢者に向いている。
 とはいえ、体の状態は人によって違うし、それぞれ年齢制限が厳密にある訳では無いので、状況によって使い分ければ良い。
 ただ気をつけることとしては、ヘパリン類似物質は傷口があると血が止まらなくなって衣服に血がついたりするし、尿素は塗り始めにピリッと刺激があるので小さな子供には向かない。
 お客様には、『ワムナールDX』で効果があれば、ヘパリン類似物質への変更も検討してみるよう勧めた。

 お客様が『ユースキンA』を購入されるさいにヒアリングしてみると、頼まれ物だとのことだった。
 使う人の患部の状態が分からないが、ビタミンEで血行を良くしてヒアルロン酸などで潤してくれるものの、薬としては指定医薬部外品で弱めなので、本当は本人に確認したいところ。
 お客様には、赤ん坊は油分で蒸発を防ぎ、20代はヘパリン類似物質で潤して、高齢になったら尿素でガッチリと水分を捕まえておくとお話したらウケた(゚∀゚)

 お客様からウオノメを保護する『ウオノメシート』を求められ、売り場を案内しながらヒアリングすると患部は指と指の間で、病院に行ったことは無く長患いだというため、より悪化する可能性と治療しなければそれだけ治るのも長引くことを説明し、受診するか医薬品の使用を勧めたけれど、あまりお話は聞いてもらえなかった。
 私が話してる間も、目がずっと『ウオノメシート』の方しか見ていなかった。

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