市販薬の料金には人件費(情報料込み)が入っています

 『ブロン錠』を購入されるお客様に痰の状況を確認したところ、咳とともに大したことはないものの3日ほど続いているというお話だった。
 咳が長引くというのは、胃炎などと関係している可能性があるため、咳が出ている間は消化に良い食事をするよう勧めた。
 『ブロン錠』と『ブロン錠エース』は、どちらもパッケージに「せき・たん」と書いてあるけれど、前者は「咳をすると水様性の痰が出る」場合に適しており、後者は「痰が引っかかって出にくい」場合に適しているので、本来は使い分けが必要。

 『レバウルソドリンク』の値引き品をまとめて購入されるお客様に、ウルソを継続するのであればコストパフォーマンスの良い物がありますと『タナベ胃腸薬ウルソ』を紹介した。
 ドリンクタイプは確かに飲みやすいけれど、錠剤と比べたら価格の開きが5倍から10倍以上と半端ない。
 そしてウルソは単発で使うのではなく、一週間なら一週間、二週間なら二週間というように連続で使った方が意味があるので、なおさらドリンクタイプを使うのはモッタイナイというもの。
 そして、一番モッタイナイのは、何の相談もしないで薬を買うことだと思う。
 売ってる商品には販売店の人件費が入っている訳で、薬の場合はその人件費に私たち登録販売者の「知識」や「情報」も含まれており、自分で選んで買うだけだと、それらの料金を無駄に支払っているようなもんである。
 もっとも、自分で選ぶのだからその分を安くしろとか言われると困るけど。
 そういう意味では、情報の提供料を別にした方が良いのかもしれないものの、そうすると安く済ませようと相談せず、それでいて自分で調べない人が多くいそうで、それはそれで怖い。
 昨今なにかと話題となる「自己責任論」で云えば、それでも構わんのかもしれんが。
 皆さんは、ドッチが良いですか?

 お客様が『スットノーズα』を二つ購入するのが気になり症状を尋ねると、もう長いこと鼻づまりになっているとのことだった。
 入浴せずシャワーだけというので、何らかの原因により熱が上半身に篭もっていると考えられるため、下半身を温めて熱を循環させる必要があることを説明した。
 入浴が難しければ、皮膚が薄く太い血管が通っている首の周囲にシャワーを重点的に浴びるのが良いので、シャワーに対して後ろを向き、首から背中にかけて浴び、その間に髪や体を洗って少しでも長く温めるよう勧めた。

 やや高齢のお客様から『コムレケア』(芍薬甘草湯)を求められたので売り場を案内したけれど、こむら返りが頻発するようであれば原因として水分不足や心臓機能の低下なども考えられることをお話しすると、脹脛(ふくらはぎ)ではなく脛(すね)が痛くなるとのお話だった。
 以前に腰の治療を受けたというから、歩き方がおかしくなってるのかもしれず、改めて受診してみるよう勧めたうえでお買い上げいただいた。
 何しろ、『コムレケア』がこむら返りに効くのは痙攣性の筋肉の痛みなので、脛が痛むとなると適応しない可能性が考えられる。
 別件で病院には行っているというため、関係無さそうな症状も医師には相談してみるようお話した。

以下の記事も読まれています。


 
登録販売者から一言 壱の巻 登録販売者から一言 肆の巻「おくすり手帳と個人情報の使い方」 市販薬購入前チェックシート